『罪なき世界に、さよならを』 GM:粘土
メイン 見学
PC1:特異点の魔獣:天城 康介PL:しんごろ
PC2:リトル・ライト・ブルー:速水 やどりPL:紅井寿甘
PC3:パイライト PL:EXst
PC4:N面一臂:日馬 美礼PL:里村
プリプレイ
オープニング:???
オープニング:天城康介
オープニング:速水やどり
オープニング:パイライト
オープニング:日馬美礼
ミドル:出会う2人と2人
ミドル:再び出会う4人
ミドル:会えない1人
ミドル:会えない1人と出会える1人
ミドル:小子内渚と
ミドル:裏返る世界
クライマックス:罪なき世界に、さよならを
エンディング:久しぶり
エンディング:おはよう
エンディング:ただいま
■トレーラー
世界は変わらず、退屈で。
だからこそ世界は愛しいと、気付く者はなく。
昨日も、今日も、明日も、その先も。
このまま続くものだと、信じていた。
僅かな違和感。
奇妙に昂る体と心。
変わってしまった世界へ戻るなと、誰かが未来を否定する。
ゆえに──。
DOUBLE CROSS the 3rd edition
「罪なき世界に、さよならを」
■■■■■■。
それは、■■■を意味する言葉。
GM:■PC紹介
GM:まずはPC1、天城康介くんからどうぞ。
GM:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYpY69tAIM
天城 康介:はい!
天城 康介:「康介、天城康介だ。面白みのない名前だけど、俺はまあ、気に入ってる」
天城 康介:「なんせ、親がつけてくれた名前だからな。……うん、大事だ。家族は大事、だな」
GM:家族は大事だね
天城 康介:「……まあ、なんだ。結局、何事も、なるようになる。そう、思ってるよ」
天城 康介:星辰館高校に通う学生かつ、UGNイリーガルエージェント。4年前の、崩落戦のとある現場におけるただ一人の生存者。……ですが。
天城 康介:何事もなかった世界で、果たしてどうなっているのか。それは神(R:げーむますたー)のみぞ知る…!
GM:どうなってるのかねえ
天城 康介:オーヴァードとしては鈍足純白兵型。情報にもそれなりに強いぞ!(めっちゃ強い人を横目に見ながら)
天城 康介:自己紹介は軽くこんな感じで。よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします。HOは全員共通ですので……
GM:PC2、速水やどりちゃん、お願いします。
GM:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY1-jn0AIM
速水 やどり:はい。
速水 やどり:「当然です。……外見こそ子供でも、支部長ですから」
速水 やどり:速水やどり(はやみ・やどり)、11歳。小学五年生にして、N市第九支部の支部長。……でしたが。
速水 やどり:何事もなかった世界でどうなっているかは、はて。どうなんでしょうね。
GM:どうでしょう……
速水 やどり:オーヴァードとしては支援をバラ撒き、触媒で再行動させる純サポート型です。情報もそれになりに強いはずなんですけど……えぇ。(すごい財産点を横目に見ながら)
速水 やどり:自己紹介は軽くこの程度で。以上、よろしくお願いします!
GM:誰かに視線がくぎ付けになってる……
GM:それではPC3、パイライトくんお願いします。
GM:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYm9vOzAIM
パイライト:はい
パイライト:「“パイライト”。そう呼んでくれればいいよ」
パイライト:第九支部の登録RB。表情の薄い十二歳頃の少年ですが、賢者の石の破片から生まれたもの。
パイライト:多くの事件と人々に触れ、感情に振り回されながら、変化し続けることを選んだ少年。
パイライト:さる事件より第十二支部の真堂支部長へ師事し、遺産を継承。幼い自分を認めながら特訓の日々を送っている。
パイライト:──というものであったはず。何もない世界に産まれるはずがない存在がどうなるのか。
パイライト:構築は《シャドーテンタクルス》を基点にした遠距離白兵型、燃費は悪いが一発は重たいです。
パイライト:以上、よろしくお願いします。
GM:RB、どうなっちゃうんでしょうねえ
GM:そして最後に、PC4.日馬美礼さんお願いします。
GM:http://pulpfunction.ohugi.com/dx3_tw/dc3_006.html
日馬 美礼:「よぉこそ。世界最後の正義の砦へ!」
日馬 美礼:ということで、N市の便利屋担当、第四支部長の日馬美礼だよ。16歳。
GM:日馬さーん
日馬 美礼:武器は部下の質と施設の設備。あとは最低限の戦闘能力かな。支部長最弱の名乗りは、速水くん来たんで返上したよね。
日馬 美礼:Dロイス「秘密兵器」持ち。フォールンヴィークル持ち込んでる。多脚戦車をテクスチャーチェンジして車椅子にしてる形。
日馬 美礼:こんなところかな。今日はよろしくね。
GM:よろしくお願いします~
GM:それではHO。
■ハンドアウト(共通)
GM:推奨シナリオロイス:日常(幸福感/不安)
キミは今日も、いつもと同じ一日を生きている。
仕事、勉学、あるいはそれらより大切な何かを抱えながら。
それは、キミにとって当たり前の、けれどかけがえのない日常だ。
……たとえ、それが仮初めのものであったとしても。
GM:さっそくセッションを開始します。
GM:PCナンバー順、一人ずつOP……の前にマスターシーンを少々。
???:問いがありました。私の空虚な胸の中に。
???:祈りを聞きました。そこに答えを見出したわけではありませんが。
???:糸を紡ぎましょう、機を織りましょう。
???:Eロイス<愚者の契約>を使用。
GM:PCたちは特定の条件を満たさない限り
GM:タイミング:常時以外のエフェクト、エンブレム、
GM:コネ:UGN幹部、そしてDロイスが使用できなくなりました。
???:描かれたものしか、私たちには見えぬのですから。
???:語られた物語しか、私たちには読めぬのですから。
???:それを確かめなければ、到底答えなど得られぬのですから。
GM:他のPCは登場不可。登場侵蝕をどうぞ。
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:33->40)
20xx年 3月
N市 星辰館学園 高等部 教室にて
GM:頬と腕に当たる冷たい感触。机の感触。
GM:例年通りに暖かくなってきた今日このごろ。あなたは机に突っ伏して寝ていた。
GM:いつも通りの、慣れた感触。
???:「──おい、天城」
天城 康介:「…………ん、ぁ…………?」
天城 康介:ゆっくりと、頭を起こす。……教室。自分の机。見慣れた風景。そして。
GM:僅かに離れた距離から、あなたを起こしたぶしつけな声の主は。
天城 康介:「……なんだよ。まだ昼休みの途中じゃないか。ハンパな時間に起こされると、午後の授業が辛いんだよ……」
天城 康介:「……で、どうしたよ」
天城 康介:声の主を、半眼で見ながら。
矢神 秀人:「……ハァ、なに寝ぼけたことを言ってんだよ」
天城 康介:「……ぉ、おう?」
矢神 秀人:「もうとっくに放課後だろうが」
天城 康介:「…………………」
天城 康介:「マジで?」
矢神 秀人:癖の強い髪を鬱陶しそうに掻きながら応じた、隣のクラスの少年は。
矢神 秀人:「……」
矢神 秀人:「マジで、はお前に向ける言葉だろうが」げんなりとした顔で見つめてくる。
天城 康介:「うわ、マジだ……。え、ってことは俺、午後の授業ずっと寝て……」
矢神 秀人:「大丈夫か、お前?」
矢神 秀人:「風邪でも引いてるんなら、さっさと家に引っ込んでろよな」
天城 康介:「……うん。矢神が言うとおり、マジか俺。いや元気なことは元気なんだけど」
矢神 秀人:「天城の言うことなんざ信用できるかよ」
矢神 秀人:「移されでもしたら迷惑だからな。マスクは持ってないのか?」
GM:面倒そうに、しかしわざわざあなたへ話しかけてくる彼は
天城 康介:「毎度毎度、お前のそのマイナス方向の信頼度は何なんだ。……まあ、確かに、万一ってのもあるしな」
天城 康介:「あんまり騒がないようにしとくよ。……ありがとな、矢神」
GM:結局は隣のクラスの、大して交流が多いわけでもない少年だ。
矢神 秀人:「天城の礼なんているかよ、とっとと帰りな」
GM:たった一度、喧嘩をして。殴って、殴り返して。その後少し、話をするようになった。
天城 康介:─ただそれだけの関係と言えば、そうだけれど。今も、こうして、繋がりは続いている。
天城 康介:「はいはい。……それじゃあな、矢神」
天城 康介:中身の殆どを机の中に置きっぱなしにした、軽い鞄を手にして。
天城 康介:「また、明日」
矢神 秀人:「ああ、またいつか」
GM:たまたま会ったら声を掛ける。それだけの、穏やかな。
GM:──つまり、いつものこと。
GM:──そう、いつものこと。
天城 康介:昨日と同じ今日。今日と同じ明日。世界は、繰り返し時を刻んで。
天城 康介:何も変わらず、日々は続くと。子供の頃も、そして今も、なんとなくそう思って。
天城 康介:──そう、願って。
GM:シーン終了。ロイス取得をどうぞ。
天城 康介:ひとまず、シナリオロイスとして日常に幸福感/不安を。…PC4人ですし、惜しいがOPはこれだけで…!
GM:OK。
GM:他のPCは登場不可。登場侵蝕をどうぞ。
速水 やどり:はい、
速水 やどり:33+1d10
DoubleCross : (33+1D10) → 33+8[8] → 41
N市 速水家 寝室にて
GM:寒い時間が徐々に薄れて、それでも冷える早朝のこと。
GM:あなたの体温でしっかり温まった、柔らかな布団に包まれて。
GM:穏やかに、何の心配も抱かず眠っているあなたに掛かる声がある。
???:「──やどり、やどり」
速水 やどり:「んぅ……?」ねぼけた目を擦る。
GM:落ち着いた声、ごくありふれた慈しみに満ちた、ともすれば眠気を誘うような声の主は。
速水しずく:「もうそろそろ起きないと、学校に遅れてしまうわ」
速水しずく:ぴしゃりと固い音を立てて、カーテンを開く。
速水しずく:あなたの母親だ。仲の良い、母親。
速水 やどり:「……ぇ、もう、そんな時間……?」差し込む陽光に目を細め。
速水しずく:「顔洗ってごはん食べなさい。着替えは用意しておくわ」
速水 やどり:布団の中で、一つ大きく伸びをして。上体を起こす。
速水しずく:そんなあなたに微笑み向けて。てきぱきと手を動かす。
速水 やどり:「はぁい、おかあさん」ふにゃりと気の入りきらない声で応えて、布団から這い出る。
速水しずく:あれこれ言っても、あなたの面倒を見るのは楽しいことなのだから。
速水 やどり:のそのそと歩き、顔を洗い、幾分かしゃっきりした様子で食卓につく。
速水あさひ:「おはよう、やどり」
速水 やどり:「おはよう、おとうさん」
速水あさひ:トーストをもう平らげて、冷め始めたコーヒー片手に微笑む彼。
速水あさひ:「いやあ、ごめんなやどり」
速水あさひ:「起こしに行ったんだけど、あんまり気持ちよさそうでさ」
速水あさひ:朗らかに笑う彼もまた、あなたを見るだけで楽しそうで。
速水 やどり:「ん。大丈夫。まだ間に合うから……」トーストと牛乳の入ったコップを手にして、やや急ぎ目に朝食を摂る。
速水あさひ:「あんまり急いで食べるのはよくな……いや、なんでもない」
速水あさひ:じろりと向けられた視線に恐縮して、コーヒーを飲み干す。
速水しずく:「まったく、お父さんが仕事しないから」あなたの背後から、肩に手を置いて。
速水しずく:「今日はやどり、康介くんと一緒に登校できなかったじゃないの」
速水 やどり:(……)確かに、それはちょっと……結構……とっても、残念だ。じろりとお父さんを見る。
速水しずく:後ろの彼女は楽しそうに息をこぼして、あなたの艶やかな髪を撫でて。
速水あさひ:「いや、なんだ」前の彼は居心地悪そうに顔をしかめて、それでもどこか楽しげに。
速水あさひ:「ウイルス流行で父さんも通勤しなくて済むようになったからさ」
速水あさひ:「やどりと一緒に朝ごはん食べたかったんだよ。というのはどうだい」
速水 やどり:「そういうことなら、まぁ。許してあげます」ちょっと気取った風に。
速水しずく:「ふふっ、やどりが良いなら許しましょうか」
速水あさひ:「やったね、本心ではあるけど通るとは思ってなかったよ」
速水 やどり:「……んく、ごちそうさまでした」手を合わせて。
速水しずく:「はい、おそまつさま」
速水あさひ:「やどりはしっかりしてるなあ」のろのろと食器を片付ける。あなたの分も持って行って。
速水あさひ:「良いことなんだが、もっと手のかかる子でもそれはそれで嬉しいんだけどなあ」
速水あさひ:ちょっと失礼なことを、だけど楽しそうに言っている。いつものことだ。
速水 やどり:「良い子はいい事でしょ」笑いかけながら。
速水 やどり:手早く着替えを済ませて。
速水しずく:「やどりはとっても良い子よ、私たちの自慢の子」
速水しずく:「それじゃあ、いってらっしゃい」
速水あさひ:2人玄関に並んで、あなたを送る。
速水 やどり:「うん。……いってきます!!」
GM:──いつものこと。お父さんが見送るのは最近のことだけど。
GM:──そう、いつものこと。今日も速水家は仲の良い家族だ。
GM:シーン終了。ロイス取得をどうぞ。
速水 やどり:日常/日常/〇幸福感/不安 で取得します。
GM:他のPCは登場不可。登場侵蝕をどうぞ。
パイライト:パイライトの侵蝕率を+3(1d10->3)(侵蝕率:38->41)
N市 七原鹿島神社 道場にて
GM:長い階段のその上に、住民によく親しまれた神社がある。
GM:その神主が運営する剣術道場、日も沈みかけて空気の涼しい、板張りの間にて。
???:「──くん、パイライトくん」
???:横になる君の肩、とんとんと叩きながら柔らかな声を掛ける誰かがいる。
パイライト:「んん……」
パイライト:伏せられた眼をゆっくりと開き、上半身を起こす。
真堂直:「おはよう、パイライトくん」
パイライト:伸び。板張りの上だったためか、少し体が痛い
真堂直:「気持ち良さそうなところ悪いけど、そろそろ帰りますよ」
パイライト:「……おはよう、直さん」
パイライト:「もう、そんな時間?」
パイライト:道場の扉は開けられたままで。そこから見えた空の色は、暗がりの気配を見せる
真堂直:「ええ、烏がかぁと鳴く時間」きみの髪を手櫛で梳かす、短髪の女性。
パイライト:「はぁい」
真堂直:「疲れてるようなら、おぶりますけど」
パイライト:「そんな子供じゃないよ。もうすぐ中学なんだし」
真堂直:「そうですね、ついこの前まであんなに小さかったのに」
真堂直:「なんて言うのは失礼ですね。ごめんなさい」あなたの師の妻であり、あなたが住まう養護施設の運営者。真堂直は楽しそうに笑う。
パイライト:「……むぅ」
パイライト:真面目な人だ。こんな子供の悪態にも、真っ直ぐに目を向けてくれる
パイライト:誤魔化すように立ち上がり、壁際に置かれた己の鞄を見やって
パイライト:すっと、左手が持ち上がって掌を向ける
パイライト:……無論、何かが起こるわけでもなく
パイライト:「……?」
真堂直:「……どうかしましたか」
真堂直:ことりと首をかしげて、不思議そうに。
パイライト:「……なんでもない」
パイライト:自分の不可解な行動に首を傾て。素直に歩みより、鞄を背負う
真堂直:「そうですか」特に、気に留めるわけでもない。
真堂直:なにせこの世に、真に不思議なものなどないのだから。
GM:そしてあなたたちは、長い長い階段を下りていく。
GM:冷たい風のよく通る道、両脇の木々がざわざわと音を立てている。
GM:横を見れば、そこには深い闇が広がっている。危険な野生動物も、あるいは潜んでいるかもしれないが。
真堂直:「それじゃあ、帰りましょうか」下に停めておいた車に乗り込んで、再びあなたに声をかける。
パイライト:「うん」短く返して、同じよう車に乗り込み
パイライト:「……そろそろ、送り迎えもいいと思うんだけど」
真堂直:「危ないことがある、というわけではないですが」真剣に、その言葉を受け止めて。
真堂直:「つい、気になってしまうので。私の心配性に付き合ってくれませんか」
パイライト:「そう言われたら、断れないでしょ」
パイライト:嫌味に聞こえそうな物言いだが、表情は穏やかで
パイライト:物心ついてから、道場通いが始まり。それからこうして、ずっと甘えてしまっている
真堂直:「ありがとうございます」嬉しそうに微笑みながら、あなたのシートベルトを確認して。
真堂直:車を走らせる。いつも通りの、慣れた道を進んでいく。
GM:──いつものこと。曲がり角で揺られる感触も、何もかも。
GM:──そう、いつものこと。彼女が優しいのも、あなたが優しいのも。
パイライト:カーオーディオから流れてくる楽曲。いつも同じで飽きないのかと、尋ねたアルバム
パイライト:……なんと答えていただろうか。思い出せない。
パイライト:でも、気にすることはない。いつものように車の振動と、耳に入る音楽が
パイライト:ゆっくりと、また。瞼を閉ざして。微睡みに沈んでゆく
パイライト:それでいい
GM:シーン終了。ロイス取得をどうぞ。
パイライト:では日常へ 「〇幸福感/違和感」で
GM:他のPCは登場不可。登場侵蝕をどうぞ。
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:33->42)
N市 道坂医院 特別個室にて
GM:いつもと変わらない室温、一年中、十数年変わることなきその部屋で。
GM:あなたは、座ったまま眠り込んでいた。泥のように。
???:「……ねえ、美礼ちゃん?」
GM:心配そうな声、よく聞き慣れたいかにも自信なさげな声が投げかけられる。
日馬 美礼:薄く目を開ける。それだけのことが、ひどく億劫だった。ずっと。
日馬 美礼:眼球だけを動かして、相手の姿を探す。
喜多川未知留:「良かった、死んでないや」
喜多川未知留:あなたには劣るものの、やせ細って貧弱な、不健康な体色の女。
日馬 美礼:しゅうしゅうと、耳障りな音がする。左手元のスイッチを押し込む。
喜多川未知留:病院生活における、あなたの先輩。個室によくやってくる程度の友好関係。
日馬 美礼:『未知瑠さん。なんですか?』
日馬 美礼:変わり者だ。なにしろ、ほとんど特別に借り上げられてるこの部屋に、わざわざ入ってくるんだから。
喜多川未知留:「ごめん、ちょっと不安になってね」
喜多川未知留:少し前まで、変わり者はもう一人居た。
喜多川未知留:「眠り姫みたいに、動かないものだったから」
日馬 美礼:しゅうしゅうと、耳障りな音がする。視界には入らないけれど、車椅子に取り付けられたモニターは、比較的正常な値を記録し続けているはずだ。
日馬 美礼:左手元のスイッチを押し込む。
日馬 美礼:『大変なだけです』
日馬 美礼:びりびりとした、不格好な声。
日馬 美礼:『お金はかけてもらってますから、大丈夫』
日馬 美礼:『少し夜ふかししちゃったから、そのせいかな』
喜多川未知留:「……へえ、何か気になることでもあった?」
喜多川未知留:あなたの言葉を受けて、よろよろと椅子まで移動。深く息を吐きながら座り込む。
日馬 美礼:『キーボードもずいぶん使えるようになったから』
日馬 美礼:右手の指で操作盤を探る。低いモーター音。電動車いすが動いて、椅子に向き直る。
日馬 美礼:『読むのは楽しいです』
日馬 美礼:『たくさんある』
喜多川未知留:「世界が広がったのはいいことだ。特別気に入ったものはある?」
日馬 美礼:ネット回線を通してもらって、いろいろな契約もしてもらって。時間だけはいくらでもあるから。
日馬 美礼:ゆっくりとまばたきをする。
日馬 美礼:『よくわからなくて』
日馬 美礼:しゅうしゅうと、耳障りな音がする。
日馬 美礼:『わたしが何をしたいのか、探せるのが』
日馬 美礼:『たのしいですよ』
喜多川未知留:「うん、すごく良い」自分のことのように喜んでいる。元気も気力もないけど、その程度は伝わる。
喜多川未知留:「分からないってことは、この先に新しい発見しか待ってないってことだもの」
日馬 美礼:『そうですね。いろいろさがして』
日馬 美礼:『好きにして』
日馬 美礼:『やっと、お金持ちのわがままむすめみたいに』
日馬 美礼:『なれるかな』
日馬 美礼:跡切れ跡切れに言葉をならべる。大変だけれど、未知瑠さんと話すのは好きだ。
喜多川未知留:「やれるとも」それが自明のことであるように、頷く。
喜多川未知留:「多少自由が聞かなくっても、ぼくらは世界に繋がっている」
日馬 美礼:ずっとここに入院していて、それでもそういうふうに話してくれる人がいることが好き。
日馬 美礼:そうはっきり言うだけの勇気もないけれど。
日馬 美礼:しゅうしゅうと、耳障りな音がする。
喜多川未知留:「きみはきみが在りたいように、いくらでも」
日馬 美礼:『生きていられるなら、きっと、楽しいこともあるって』
日馬 美礼:『おじさんでしたっけ』
日馬 美礼:『未知瑠さんの』
日馬 美礼:『会えたらよかったのにな』
喜多川未知留:「なに、お嬢様が会いたがってるって言えばすぐに食いつくだろうさ」
喜多川未知留:「サービス精神も意欲も旺盛なんだ。晴れ舞台は見逃さないよ」
日馬 美礼:ああ。そうか。
日馬 美礼:ゆっくりとまばたきをする。
日馬 美礼:『呼べばいいんですね』
喜多川未知留:「好きにすれば、いいのさ」
日馬 美礼:しゅうしゅうと、耳障りな音がする。左手のボタンを押し込む。
喜多川未知留:「時間、余力、なにより意志があるんならね」
日馬 美礼:『はい』
日馬 美礼:少し考えて。
日馬 美礼:『お金も』
日馬 美礼:こういうとき、自然に笑えたらよかったのにな。と。思うけれど。
喜多川未知留:「そりゃ重要だ」
喜多川未知留:くすりと笑う。彼女の理想と、同じように。
日馬 美礼:羨ましいと思う。でも、たぶん不幸だとは思わない。だっていまは。
日馬 美礼:それこそ、いくらだってできることがあるから。退屈だと思う暇なんてないくらいに。
日馬 美礼:たぶんわたしは、十分に幸せだ。
喜多川未知留:「……そろそろ時間だ。ぼくは引っ込まなきゃ」
喜多川未知留:のっそりと、備え付けの高級な机と椅子に手を付いて立ち上がる。
日馬 美礼:右手の操作盤を指先で動かす。少し後ろに下がって、スペースを作る。慣れたものだ。
日馬 美礼:『そうですね。蜷川さんも来ちゃうし』
日馬 美礼:特別室の一角は、普通の病院では考えられないことだけれど、硝子の飼育箱で埋められている。
日馬 美礼:用意してくれた両親と、この世話までしてもらっている看護婦さんには、ほんとうに感謝しかない。
日馬 美礼:『それじゃあ、また』
日馬 美礼:『未知瑠さん』
喜多川未知留:「うん、美礼ちゃん」ゆっくりと、杖を突いて。視線はきみに向けたまま離れていって。
喜多川未知留:「また明日」扉の向こうへ消えるまで、名残惜しむように出て行った。
日馬 美礼:ゆっくりとまばたきをする。
日馬 美礼:未知瑠さんが座っていた、備え付けの立派な机の向こうに、箱詰めの自然がずらりと並んでいる。
日馬 美礼:海。森。それから、もっと遠くのどこか。きっと、がんばって調べればそれが何か、わかるだろう。
日馬 美礼:視界の端、緑の葉の上で、白い蟷螂がゆるゆると動き出すのが見えた。
GM:──いつものこと。何も変わらないこの箱庭に、変わり者の友人がやってくるのも。
GM:──そう、いつものこと。患者が急に体調を崩すことも。ごくありふれた日常だ。
GM:シーン終了。ロイス取得をどうぞ。
日馬 美礼:「隣人:日常:○幸福感/不信感」でひとまず取得。以上。
GM:それでは全OPが終了しましたので、ミドルシーンについて説明します。
GM:ミドルシーンはプライズ性で進行していきます。
GM:内容はこのように
技能・意志 任意の情報
難易度・9
プライズ・0/10
最大達成値・30
GM:PPが貯まっていくごとに、PCに掛かっている<愚者の契約>の制限が解けていきます。
GM:それではミドルシーンを開始します。
GM:ミドル1
GM:全員登場可能。登場侵蝕をどうぞ。
速水 やどり:41+1d10
DoubleCross : (41+1D10) → 41+10[10] → 51
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+2(1d10->2)した(侵蝕率:40->42)
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+6(1d10->6)した(侵蝕率:42->48)
パイライト:パイライトの侵蝕率を+8(1d10->8)(侵蝕率:41->49)
GM:それでは、判定をどうぞ!
速水 やどり:コネ:UGN幹部が使用不可能とのことですが、情報:UGNでの判定、及び財産点の使用は可能ですか?
GM:OKです!
速水 やどり:ありがとうございます。
天城 康介:では、自分は情報:噂話で…!
天城 康介:コネも使いーの。
天城 康介:5dx+1>=9
DoubleCross : (5R10+1[10]>=9) → 7[1,2,3,7,7]+1 → 8 → 失敗
天城 康介:ぐわーッ!!
日馬 美礼:<情報:学問>でいこうかな。実は持ってるコネも起動。
速水 やどり:情報:UGNで判定。
パイライト:では素で意志
速水 やどり:2dx+4>=9
DoubleCross : (2R10+4[10]>=9) → 6[4,6]+4 → 10 → 成功
日馬 美礼:5dx+1>=9
DoubleCross : (5R10+1[10]>=9) → 9[3,6,6,7,9]+1 → 10 → 成功
パイライト:2dx+1>=9
DoubleCross : (2R10+1[10]>=9) → 9[6,9]+1 → 10 → 成功
日馬 美礼:うん。財産点20。達成値30。残り60。
GM:ひえーっ
パイライト:ごっつい
GM:これはお金持ちのわがままむすめ
天城 康介:ワオ……
速水 やどり:凄い……
GM:それではPP:4!
PP:2
漠然とした違和感があった。
違う。何かが。例えばそう。
忘れている、大切な人がいたような。
コネ:UGN幹部が使用できるようになりました。
PP:4
とても大きな違和感がある。
例えば数年前のこと。ごく最近にも、色々と。
幾つもの事件があった、N市は大きく変わり果てた。
エンブレムが使用できるようになりました。
様々な事件が起きていることを、ぼんやりと思い出せるようになりました。
N市 道坂医院敷地内 喫茶店にて
GM:あなたたち。天城康介と速水やどりの2人。
GM:数年前に一方の両親が事故死して以来、家ぐるみの付き合いから共に暮らすことになったあなたたちは。
GM:いつも通りにおだやかな休日を、2人で過ごしていた。
天城 康介:朝はともかく、学校が終わる時間は、小学校と高校ではまるで違う。そんな時は、ここで待ち合わせをして一緒に帰ることも少なくなくて。
天城 康介:だから、自然。休日、どこか外でのんびりしよう、となれば、ここに行き着くことも多く。
天城 康介:「昨日は、ごめんな。ギリギリまで待ってたんだけど、おじさんが、「いやあ、あれは無理だなあ……」って」
速水 やどり:「こうすけさんが謝る必要はないですよ。私がねぼすけだったから……」ちょっと顔を赤らめながら。
天城 康介:「……その、流石に。前みたいに、俺が起こしに行くとか、そういうのも」
速水 やどり:「……レディの寝室にはいるのは、ご法度です」ちょっとむすっとして。嬉しさと天秤にかけても、見られたくない顔もあるものだ。
天城 康介:「分かってる。……もう、11歳だもんな。俺が、やどりの家にお世話になるようになって──」
天城 康介:「……っ、ぅ……」
天城 康介:年数を。そのきっかけを口にしようとして。眩暈にも似た何かを感じて、目を閉じる。
速水 やどり:「どうか、しましたか?」心配そうに、君の事を覗き込む。
天城 康介:「ああ、いや、大丈夫。……やどりも、もうすっかり大きくて、綺麗になったな、って」
天城 康介:誤魔化すように、笑顔を浮かべて。
速水 やどり:「わ……そういうこと、誰にでも言っちゃダメですよ?」
速水 やどり:冗談めかしてそう言ったあと、微笑む。
GM:そのように、微笑ましい会話を楽しんでいるあなたたちへ横から声がかかる。
???:「あら、あなたたちは──」
小子内渚:「天城くんに……速水やどりちゃんでしたか」
天城 康介:「……あ。ええと、確か……」
天城 康介:見覚えはある。名前が、出てこない。……そんな、ここ数日、何度か感じた違和感。それをまた、覚える。
小子内渚:「小子内です。小子内渚」
小子内渚:彼女はこの病院に勤める看護師であり、学園の健康診断にもやってくる。
速水 やどり:「……」お世話になってます、と、言おうとして。違和感を覚える。何か、大切なことを忘れているような、そんな感じだ。
小子内渚:「覚えているのは、職業病というか。思い出せなくて大丈夫ですよ」
小子内渚:その程度の関係だ。顔を覚えるような深さは、ない。
天城 康介:「そう、そうだった。ごめん、もうちょっとで出てきそうだったんだ。……えっと、お久しぶり、です」
小子内渚:「ええ、久しぶり。その後彼とはどう?」
小子内渚:ついでに付け加えると、きみが矢神秀人と殴り合った後に向かった病院はここである。
天城 康介:「まあ……友達同士、かな。あいつが俺のことを、どう思っているのかは分からないけど……」
天城 康介:「俺は、うん。……あいつとは、友達だと思ってる」
小子内渚:「そう、それは良かったです」
天城 康介:「……そういや、あの時は。やどりが、俺をここまで引っ張ってきたんだっけ」
天城 康介:たまたま、おじさんたちが家を空けている日。顔を腫らして帰ってきた自分を叱って、そして病院に行こう、と言ってくれたのは─
速水 やどり:「本気で心配したんですからね、もう」
小子内渚:君たちの様子を穏やかに見守る彼女の表情に、やはり既視感がある気もするが。
???:「あまり欲張るものではありませんよ、渚さん」彼女の後ろから、穏やかな男性の声がする。
???:「記憶力が抜群に良いからといって、全部気にしていては大変でしょう」
???:その指にきらりと光る指輪。彼女と同じ形をしていて。
小子内晴久:「初めまして、お2人さん。小子内晴久と申します」
天城 康介:「あ、初めまして……えっと、小子内、ってことは……」
速水 やどり:「初めまして。お二人は……」
小子内渚:「ええ、パートナーということで」
小子内晴久:「もう少し親密な表現でも良いとは思いますが、そういうことです」
小子内晴久:「お邪魔してすいません。お2人に渚さんが用事がありまして」
天城 康介:「な、なるほど……って、用事……?」
速水 やどり:「なんでしょう……?」
小子内渚:ちらりと目をそらして、こほんと一息。
天城 康介:男女の間柄というのは色んな形があるんだな、と。普段接している、隣にいる少女の両親とはまったく違う空気感に、新鮮さを覚えつつ。
小子内渚:「忘れていたわけではありませんが」
小子内晴久:「忘れてましたね」
小子内渚:「速水さん」
速水 やどり:「はい」
小子内渚:「パイライトっていう子、知ってますよね」言いながら、少し不思議に思って。
速水 やどり:「はい、同じ学校で」
小子内晴久:「きみのお友達が、今ここに来てるって伝えに来たんですよ」
天城 康介:名前の響きが、何か引っかかりながらも。すとん、と綺麗に収まるように聞こえる。
小子内晴久:「なんでも頭を打ったとか」
速水 やどり:「!? 大変じゃないですか!!」
速水 やどり:病院まで来るとなれば、相当ではないか。
小子内渚:「……どうして勝手に話を継ぐんですか」
小子内渚:「大体言い方というものがあるでしょう」
小子内晴久:「患者の話を人に流したら駄目でしょう。私が代わりにしてあげます」
小子内渚:「……まったく」
小子内渚:「そこまで大事ではないはずですが、はい」
天城 康介:「……うん。なんだか聞いちゃいけないやりとりだった気もするけど、それは置いとこう」
小子内渚:「こういう時って、不安になってしまうものですから」
速水 やどり:「……こうすけさん。ちょっとこのまま、寄り道しても?」
小子内渚:「良ければ会いに行ってあげてください」
天城 康介:「もちろん。……うん、それに、やどりの友達なら」
天城 康介:「俺も、ちゃんと挨拶しとかないと。やどりがいつもお世話になってます、ってね」
天城 康介:ついさっき、心配そうに声を荒げた彼女の表情を、一瞬、思い出しながら。冗談っぽく、小さく笑う。
速水 やどり:「……ありがとうございます」天城君の方に向けて、笑う。
小子内渚:その様子を見て、やはりどこか安心した顔を浮かべて。
小子内晴久:「ほら渚さん。早く食べなきゃ休憩時間が終わってしまいますよ」
小子内渚:「そうですね。では、そういうことですので……」
GM:君たち2人は、パイライトくんの所在を知った。
天城 康介:ああ、とふたりを見送って─
天城 康介:「じゃ、行こうか、やどり」
速水 やどり:「はい、こうすけさん」
天城 康介:席を立ち、鞄を肩にかけ。伝票を手にして。
天城 康介:空いた方の手を、彼女に差し出しながら。
速水 やどり:「……お友達に会いに行くのに、繋ぎっぱなしはなんだかちょっと恥ずかしいですけど」一瞬、ためらって。結局、その手を取る。
速水 やどり:「途中まで。お願いします」
GM:階段で転んで頭を強く打ったきみ、パイライト。
GM:慌てて担ぎ込まれたが、どうやら軽い擦過傷ですんだようであり
GM:"保護者"はなにやら手続きだのあるようで、しばし手持無沙汰の状態である。
パイライト:しくじった、という意識はある。頭に貼られたガーゼからは鈍い痛みが続いているが、思考ははっきりとあり
パイライト:駆けつけた大人の姿に、居心地の悪さをなお感じて
パイライト:トイレに行くと言い訳をして、病院の中を当てもなく歩いていた
パイライト:「やれる、と思ったんだけど」
パイライト:ぽつりと、独り言が漏れる
日馬 美礼:突き当りを曲がると。清潔だが薄暗い渡り廊下だ。
日馬 美礼:どう考えても、その先は普通の患者が立ち入るスペースではない。
日馬 美礼:古い蛍光灯のうなりに紛れて、かすかなモーター音。
日馬 美礼:……明かりの範囲に、車椅子が一つ。入ってくる。
パイライト:人々の喧噪は遠く、ここだけが切り離されたような静寂が満ちて
日馬 美礼:幽霊かとすら思えた。
日馬 美礼:車椅子に少女が座っている。色素の薄い明るい茶色の髪。水気のない痩せた指、手首。
日馬 美礼:首につながるチューブ、胸元に伸びるコード、そういったものが、辛うじて彼女が人間だと教えてくれるような。
日馬 美礼:短く切られた前髪の下で、ゆっくりとなんどか瞬きをする。
日馬 美礼:『こんにちは』
日馬 美礼:びりびりと、機械のような声だった。
パイライト:──人工の声に、意識が戻る。
パイライト:少年の眼に入るそれは現実感の薄い、夢幻のように思えて
パイライト:「……こんにちは」
パイライト:それでも、挨拶を返したのは。先生に教え込まれていたからだろうか
日馬 美礼:『この先はわたしの部屋だよ』
日馬 美礼:『それしかないです』
パイライト:車椅子を通して、奥に目を向けた。
日馬 美礼:奇妙なほどの無表情。ゆっくりと、何度かまばたきをする。
パイライト:「それは、えっと。ごめんなさい」
パイライト:「家族でもないのに、入るのはよくなかった、よね」
日馬 美礼:『捜し物なら』
日馬 美礼:しゅうしゅうという呼吸音。
日馬 美礼:『誰か呼ぼうか』
パイライト:奥に続く道の先。病院であるのに、そこにあるものは一瞬、病棟ではなく別に見えて
パイライト:「いや、そういうのでもないから」
パイライト:呼吸。
パイライト:「……その」
パイライト:「ちょっと、落ち着かなくて。歩き回ってただけ」
日馬 美礼:ゆっくりとまばたきをする。
日馬 美礼:『私も』
日馬 美礼:『あなた、名前は』
パイライト:「……」
日馬 美礼:疑問符らしい発音はやりにくいのだろう。ひどく無愛想にも聞こえる。
パイライト:「──パイライト」
パイライト:ずきり、と傷口が痛むのか。鈍いものが頭の中をかき回す
日馬 美礼:『日本人』
パイライト:「一応。こんな眼と髪だから、よく言われるんだけど」
日馬 美礼:言ったあとに、そのまま黙り込む。無表情が、なんどかゆっくりとまばたきをする。
日馬 美礼:『私はみらい』
日馬 美礼:『くさまみらい』
日馬 美礼:呼吸音。
パイライト:「みらい」
日馬 美礼:『あなたの名前を聞いたことがある気がする』
パイライト:「どういうところで?」
パイライト:知らず、車椅子に近付いていて。
パイライト:好奇心のまま、尋ねていた
日馬 美礼:『それがわからないの』
日馬 美礼:近づくとはっきり聞こえる、耳障りなしゅうしゅうという呼吸音。
日馬 美礼:近づくあなたを、眼球だけが追っている。
日馬 美礼:『多いんだ』
日馬 美礼:『最近、そういうことばかりなの』
パイライト:「……」
日馬 美礼:『何かが違う気がする』
パイライト:ガーゼの貼られた傷口に。手が触れる
パイライト:「……ぼくも、今日」
日馬 美礼:かさついた頬をわずかにもゆがめずに、何度かゆっくりまばたきをする。
パイライト:「そう思って。それで、ここに来ることになった」
パイライト:屈んで、頭に目立つ白いそれを見せるようにして
パイライト:「階段の上から、転んで落ちたんだけど」
パイライト:「その時、受け身を取って。でも“違う”って感じた」
パイライト:「……何が違うのか、何もわからないけど」
日馬 美礼:『もし同じことを考えている人を見つけたら』
日馬 美礼:『私の部屋に連れてきて』
パイライト:「いるのかな」
日馬 美礼:『もうすこし何かおもいだしたらでもいい』
日馬 美礼:『私も探しているから』
日馬 美礼:しゅうしゅうという呼吸音。何度か、ゆっくりとまばたきをする。
パイライト:平坦な機械音声。喋ることも、容易ではないその身で
パイライト:色の異なる双眸が。その眼を見つめる
パイライト:「わかった。約束する」
パイライト:「……無理させてごめん」
パイライト:近付いた分、感じ取れた呼吸音が耳の奥に残っている
日馬 美礼:目を、少しだけ無理をしたように見開いて、パイライトくんを見る。
日馬 美礼:『いいよ』
日馬 美礼:『またね』
パイライト:「うん。また」
パイライト:「……お大事に。みらいお姉さん」
パイライト:ゆっくりと、“病室”へ戻ってゆく車椅子を見送る
パイライト:背が見えなくなって。ようやく、脚が動くようになった
パイライト:来た道を戻る。ゆっくりと、音が戻り始めて
パイライト:──渡り廊下の窓より。花螳螂が一匹、少年を見送った
GM:シーン終了。ロイス取得と購入をどうぞ。
天城 康介:やどりちゃんに「■庇護/偏愛」にて。
日馬 美礼:パイライト(好奇心/○忘却)
速水 やどり:ロイスは保留で。
日馬 美礼:購入は……武器要る人はいないか。じゃあボディアーマ調達
日馬 美礼:2dx+4>=12
DoubleCross : (2R10+4[10]>=12) → 7[5,7]+4 → 11 → 失敗
日馬 美礼:財産1入れて成功、残り59
パイライト:こちらみらいお姉さんにロイス。「不思議な人:〇好奇心/忘却」
速水 やどり:調達はボディアーマーで。
速水 やどり:2dx+1>=12
DoubleCross : (2R10+1[10]>=12) → 8[8,8]+1 → 9 → 失敗
速水 やどり:失敗しときます。以上で。
天城 康介:こちらは特にないかな……では、ボディアーマーを。(やどりちゃんに渡す用)
天城 康介:3dx>=12
DoubleCross : (3R10[10]>=12) → 9[2,7,9] → 9 → 失敗
パイライト:侵蝕調整含めて、ダメ元でブルゲ
天城 康介:失敗しておきましょう。以上で!
パイライト:1dx>=20
DoubleCross : (1R10[10]>=20) → 7[7] → 7 → 失敗
パイライト:失敗で以上!
GM:全員登場可能。登場侵蝕をどうぞ。
速水 やどり:51+1d10
DoubleCross : (51+1D10) → 51+7[7] → 58
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:42->46)
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+8(1d10->8)した(侵蝕率:48->56)
パイライト:パイライトの侵蝕率を+9(1d10->9)(侵蝕率:49->58)
技能・意志 任意の情報
難易度・9
プライズ・4/10
最大達成値・30
GM:判定していきましょう。コネは解禁済みですぜ。
パイライト:コネのUGN幹部使って情報で
天城 康介:では、カスタマイズ(ストーン)つきのコネ:UGN幹部で……。
天城 康介:4dx+1>=9
DoubleCross : (4R10+1[10]>=9) → 10[3,6,8,10]+5[5]+1 → 16 → 成功
速水 やどり:コネ:UGN幹部使用して、情報:UGNで。
パイライト:3dx+1>=9
DoubleCross : (3R10+1[10]>=9) → 8[5,6,8]+1 → 9 → 成功
天城 康介:成功、財産点は入れずこのままで。
速水 やどり:4dx+4>=9
DoubleCross : (4R10+4[10]>=9) → 9[4,4,5,9]+4 → 13 → 成功
日馬 美礼:ではこちら、もう一度学問で。
日馬 美礼:5dx+1>9
DoubleCross : (5R10+1[10]>9) → 7[1,3,4,6,7]+1 → 8 → 失敗
日馬 美礼:はい。行っちゃうか。22点入れて達成値30、残り37
パイライト:マネーイズパワー
GM:ちょっとよくわかんない数字
GM:それでは情報開示です
天城 康介:ワオ。
PP:6
あなたたちは、思い出した。
何もかも思い出せたわけではないが、すぐに全て割り切ることは難しいが。
それでも、思い出した。己の力を、変わってしまった世界を。
タイミング:常時以外のエフェクトが使用可能になりました。
GM:これで君たちもオーヴァードだ
GM:そして次は、思い出せた貴重な情報の一つ。というかやっと情報だよ。
PP:8
小子内 渚
第9支部に所属する医療オーヴァード。
N市が全9支部体制であったころからの、第9支部エージェント。
崩落戦の折に多くの同僚を看取った。その中には婚約者も居たそうだ。
戦闘能力は持たないが。記憶探索者と分類される特殊な力を持つ。
他者の精神を正確に認識し、エミュレートし、操作することができるのだ。
N市 道坂医院 特別個室にて
N市 ──── 道坂医院 特別個室にて
N市 第 地区 道坂医院 特別個室にて
GM:君たちは、いつもどおりのこと、ごく普通なことから外れた。
GM:それも初めてのことではない。ずれたのは再び、だ。
GM:今はまだ、漠然とした違和感だ。だがそれでも、漠然とした確信がある。
GM:君たち4人は、合流した。元からある程度、繋がっていたのだから。
日馬 美礼:『こんにちは』ざらざらした声。こけたかさかさの頬に、不器用な微笑み。
パイライト:「こんにちは。みらいお姉さん」
パイライト:渡り廊下を抜け。先にあった扉を開き、挨拶を返す
速水 やどり:「……」あの後。パイライト君を探して、見つけて。それから。
天城 康介:「……ええ、と」
天城 康介:会わせたい人がいる、と。挨拶もそこそこに、そう告げられて。
日馬 美礼:『よおこそ。正義の砦へ』パイライトくんと先程会ったときとは、少し様子が違う。一応ながら、表情がある。
パイライト:クラゲの浮かぶ水槽。素人目に見てもわかる高級な机に並べられた、瓶詰めの森と海。
パイライト:「……また、増えたんだね。思い出したものが」
天城 康介:「……ああ、あんたは」
天城 康介:おおよそ、初対面の少女に対して向けるべきではない呼び方で。
速水 やどり:「その言葉、お好きですね……」なんだろう。わかる。聞いたことがある気がする。
パイライト:病室に入り、近くの椅子を引いて腰掛ける。
パイライト:少しだけ、少年の顔つきは硬い
天城 康介:「……俺、あんたを知ってる。もうちょっと元気……というより、ふてぶてしい子だった気がするけど」
日馬 美礼:『速水さんは、覚えてるんだね。思い出したのかな』ざらざらとした声。
日馬 美礼:『天城くんは……だいぶひどいです。そういうひとでしたっけ』
速水 やどり:「思い出しかけている、ぐらいが正しいでしょうか」何を。何を思い出しているのか、まだ言い切れないが。
天城 康介:「……ごめん。……ひょっとしたら、愉快な思い出じゃないのかもしれない。けど、うん」
天城 康介:「あんたが悪い人じゃないっていうのは、分かってる」
日馬 美礼:病室の壁に並んだ水槽の中、切り取られた海で海月が揺れている。
パイライト:「……まだ少し、引っ張られてはいるけど」
日馬 美礼:『それはよかった。つまりここが……誰かの見ている夢の中かもしれないことを』
日馬 美礼:『なんとなくは思い出している』
日馬 美礼:困ったような表情になる。
天城 康介:「夢の、中。……なあ、それは、例えばさ」
天城 康介:「こうであったらいい、と思うから、なのか。それとも──」
天城 康介:車椅子の少女を、じっと見る。身体に管が埋め込まれ、言葉すら自由ではない彼女を。
天城 康介:「……こうなってしまうかもしれない、って思うから、こうなってるのか」
日馬 美礼:『ここは平和な世界ですよ。私にも』
日馬 美礼:かすれた笛のような呼吸音と、ざらざらした声はそのままだ。物理的に置き換わっているから。
日馬 美礼:『戦わなくてもいいし、あくせくしなくてもいいし。当たり前でないことを、怖がらなくてもいいし』
天城 康介:「当たり前で、ないこと」
天城 康介:「……そうだった。俺は、俺たちは」
天城 康介:ぼんやりと思い出す。自分の意志ひとつで変わってしまう姿。おおよそ人らしからぬ膂力。それらを振るう、自分。
速水 やどり:「……当たり前じゃないことを。そう、ですね」だんだんと、思い出してきた。
速水 やどり:人並外れた頭脳。隠すことを考えもしなかった頃。その結果。
速水 やどり:『手のかからない良い子』なんて言葉では、説明がつかなくなってしまった自分。
速水 やどり:大きな瞳が潤みかかる。……あぁ。こういう時に、自分はどうすればいいか。知っている。思い出した。
速水 やどり:《完全演技》。瞬き一つで、涙が零れる前に止まる。
天城 康介:──初めて見る、けれど、見慣れた顔に変わった少女の。
天城 康介:「…………」
天城 康介:小さな手を、握る。
日馬 美礼:『パイライトくんはどうかな』
速水 やどり:「……ありがとうございます、こうすけさん。大丈夫です」手を握り返しながら。
天城 康介:「……うん。大丈夫だ。俺も、大丈夫」
パイライト:後ろの二人を一瞬だけ見て、かけられた言葉に首を戻す
天城 康介:自分に、言い聞かせるように。変わってしまった世界で、何があったのか。何を感じたのか、少しずつ湧き上がる何かを、押さえつけるように。
パイライト:「……そうだね」
パイライト:「夢、というなら。確かにいい夢だったと思うよ」
パイライト:「初めてだから。“普通”を、経験したのは」
日馬 美礼:『そうでも、まだ、終わらせる方法はわからないから……』
日馬 美礼:『わたしたちのほかにもいるか、確かめたほうがいいと思います』ざらざらした声。
日馬 美礼:『どうですか。速水さん』
速水 やどり:「えぇ。……そういえば。『この世界』で、会いました。私の、部下だった人に」
日馬 美礼:目線を向ける。何度か瞬きする。
速水 やどり:「小子内 渚さん。……UGNの区分で、【記憶探索者】。……どう転ぶにしろ、接触すべき相手だと判断します」
日馬 美礼:「なにかありそうですね。お願いします」
日馬 美礼:『わたしのほうは、あまり出歩けないので』
日馬 美礼:少しだけ首を動かす。
パイライト:「その辺はこっちの仕事。得意だから」
日馬 美礼:『おねがい』
天城 康介:「ああ。任せとけ、って言い切るには、まだ不安の方が大きいけど」
パイライト:「うん。やどりちゃんも、指示お願い」
天城 康介:「……戻らなきゃ駄目、なんだよな。ここが、どんなに」
速水 やどり:「なんだか、まだ不思議な気分は残ってますけど。えぇ。承りました」
天城 康介:「楽しい、夢の中でも」
パイライト:「天城お兄さんは、元の場所が嫌い?」
天城 康介:「……たぶん、好きじゃなかったよ。ほんの少し前までは。でもさ」
天城 康介:「何かがあったことも、誰かがいなくなったことも、誰かと出会ったことも。……なかったことに、するのは」
天城 康介:「俺は、嫌だ。……そんなことをしたら、それこそ。きっと、何もかもが、嫌いになる」
日馬 美礼:『そういうものですよね。住んでいる世界。わたしたちが守るもの』
日馬 美礼:指を、発声スイッチにかけたまま、少し迷うように撫でて。
日馬 美礼:『おねがいしますね』
天城 康介:ああ、と。日馬さんの言葉に、頷いてから。
天城 康介:「……なあ、パイライト」
パイライト:「なに?」
天城 康介:顔立ちは幼い、けれど自分とさほど身長の変わらない少年の。左右で色の違う瞳を、見つめて。
天城 康介:「ありがとうな。……お前に聞かれて、自分が思ってることを口にして」
天城 康介:「……思い出したよ。戻らなきゃいけない、理由」
パイライト:「……」
パイライト:同じで違う。多くの事件、苦しみ、痛み、怨嗟に満ちているとも言えたあの場所
パイライト:それでも、戻るとこの人は決意を口にした
パイライト:「うん」
パイライト:「ありがとう、天城お兄さん」
パイライト:ここは、酷く優しくて。普通に満ちているけれど
パイライト:「帰ろう、みんなで」
パイライト:ぼくのいるべき場所ではないから
GM:シーン終了。ロイス取得と購入をどうぞ。
天城 康介:ロイス……一旦保留で……!
パイライト:ここはロイス保留
速水 やどり:おともだち/パイライト/〇信頼/不安 と、 仲間/日馬美礼/〇連帯感/憐憫 で取得。
パイライト:調達はパスして以上で
速水 やどり:調達はボディアーマーで。
日馬 美礼:ロイスは……一度保留。調達は……クリスタルシールドかな。いつものごとく
速水 やどり:2dx+1>=12
DoubleCross : (2R10+1[10]>=12) → 6[3,6]+1 → 7 → 失敗
天城 康介:調達はボディアーマー狙い。
天城 康介:3dx>=12
DoubleCross : (3R10[10]>=12) → 6[4,4,6] → 6 → 失敗
天城 康介:失敗!以上です。
日馬 美礼:手配師コネを起動。
速水 やどり:財産5点ペイして購入。残10点。
日馬 美礼:6dx7+4>=25
DoubleCross : (6R10+4[7]>=25) → 10[1,2,3,6,6,8]+10[8]+2[2]+4 → 26 → 成功
日馬 美礼:成功。装備しておくよ、と。
日馬 美礼:もとい
パイライト:ヒュー
日馬 美礼:6dx10+4
DoubleCross : (6R10+4[10]) → 5[2,3,4,4,4,5]+4 → 9
日馬 美礼:財産点16点。残り21。(訂正)
日馬 美礼:で、成功。
天城 康介:4分の3使っても残り20以上とはいったい。
日馬 美礼:第五の力だよ
GM:登場PC:天城康介・速水やどり。登場侵蝕をどうぞ。
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:46->55)
速水 やどり:58+1d10
DoubleCross : (58+1D10) → 58+2[2] → 60
N市 第1地区 N市立中央図書館にて
GM:駅の近くの大きな図書館……君たちの世界においては、地下に支部を置くその図書館だが。
GM:この世界においては、なんの変哲もない、市内最大級の情報センターである。
GM:あなたたち2人は、こちらでは出会っていない共通の知人のことが気になり、調査のためにここを訪れた。
天城 康介:「……ごめん。これこそ「寄り道」だ、っていうのは、俺も分かってるけど」
速水 やどり:「いえ。私も気になりますから。どうしたって」
天城 康介:小さく、頷いて。
天城 康介:「だいたい、18年くらい前。……そこから絞り切るのは、俺だけじゃ、無理だ」
速水 やどり:「えぇ。だから。私の力、お貸ししますとも」
天城 康介:たのむ、と応じて。目の前の資料の山。
天城 康介:「……この中に、名前がなかったら。それがきっと、一番いいんだ」
天城 康介:事件を扱った、膨大な量の新聞記事を目に。そうであってほしい、と希望を口にするように。
速水 やどり:「……はい」その祈りを感じながら、資料の山に手をかけ始める。
天城 康介:自分も、少しずつ紙をめくっていく。隣にいる少女のそれよりも、随分ペースは遅くて。
天城 康介:それは、能力的なものも、勿論あるけれど。凄惨な事件、事故を目にする度に、しばし手を止めて、見入ってしまうからでもある。
GM:そうして、速水やどりは辿り着いた。一つの答えに、辿り着いた。
GM:13の砦、その1つを僅か11歳の身で預かる鋭き知性の持ち主なのだから。この程度の調査は容易いことだ。
GM:20年前の新聞記事、全国的に取り上げられたニュースを君は見つける。
GM:楊原あざみという11歳の少女が、児童虐待によって命を奪われたという。
GM:──これがこの世界における、あなたが探し当てた答えだ。
速水 やどり:「……」確かに見た。ソレを見た。見てしまった。……ただ、手を止めず、目を走らせ。『何も見つけられなかった』ように装う。
天城 康介:「……やどり?」
天城 康介:何か、言い様の無い、違和感のようなものを覚えて。短く、名を呼ぶ。
速水 やどり:「どうしました? こうすけさん」何事もなかったかのように、応える。
天城 康介:……知覚で判定を。やどりちゃんの《完全演技》との対決で。
天城 康介:1d10+1
DoubleCross : (1D10+1) → 9[9]+1 → 10
天城 康介:いい目だけど…!
速水 やどり:リアクションします。
速水 やどり:2dx+1
DoubleCross : (2R10+1[10]) → 6[4,6]+1 → 7
速水 やどり:……バレて、しまいますか。
天城 康介:その、ようです。……では。
天城 康介:「…………」
天城 康介:大きな、けれど鋭さを宿した少女の瞳を、見つめて。
天城 康介:「……お願いだ、やどり」
天城 康介:「全部持って行こうだとか。そんな覚悟を決めてほしくない」
速水 やどり:「……こうすけさんには、敵いませんね」そう言って、先程通り過ぎた資料を開く。ページすらきちんと覚えている。
速水 やどり:20年前の新聞記事。その、痛々しいニュースを指し示す。
GM:『…楊原あざみちゃん(11)は、自宅で餓死しているのを発見された。第一発見者は隣室の住人で、異臭に気付き、大家に連絡したという。』
天城 康介:ずっと、探していた名だ。ページが示されれば、すぐにでも目に飛び込んでくる。
天城 康介:あぁ、と。漏らした吐息は、不思議と、どこかすっきりしたもので。
天城 康介:「……そう、か。……うん、そうだよな。あざみさんが、今のあの姿でいるのは。レネゲイドの作用に抵抗するための反応だろう、って」
天城 康介:「……不思議なものが、なにもないこの世界じゃあ。そもそも、前提が、成り立ってないんだ」
速水 やどり:「……戻らなきゃいけない理由。増えちゃいましたね」
天城 康介:「うん。……俺はさ。ここが「こうなったらいい」っていう世界なら」
天城 康介:「いや。……もしそんな都合のいい世界があるんなら。みんな、元気で生きてる世界なんだろうなって思ってた」
天城 康介:"みんな"と呼ぶ相手が誰であるのか、名前は挙げないけれども。
速水 やどり:「……はい」目を伏せながら、相槌を打つ。
天城 康介:その相槌に、自分も、小さく頷きを返して。
天城 康介:「けど、そうじゃなかった。……あの戦いがなくても、こっちの世界じゃ、みんないなくなって」
天城 康介:「──でも、俺はひとりぼっちじゃ、なかった」
天城 康介:資料から離れたキミの手に、自分の手を上から重ねる。
速水 やどり:「こうすけさん……」手を、握られるまま。
天城 康介:「やどりは、覚えてないかもしれないけど」
天城 康介:「一回だけ、会ったことがあるんだ。小さい頃のやどりと、おじさん、おばさんと」
天城 康介:遠い日の。まだ、公園に観覧車があって、そこに通うのが楽しみだった頃の。ほんの一時だけの邂逅だったけれど。
速水 やどり:「……」これも。『覚えていますよ』とは、言えなかった記憶だ。
天城 康介:──あるいは、覚えていたとしても。彼女は決して、自分からは言い出さなかっただろうと。だから。
天城 康介:「優しくて、暖かい家なんだろうな、って思った。……この世界は、もしも、の世界だけど」
天城 康介:「あの時、そう思ったのは、間違いじゃないって。……あの時の、やどりと、おじさんと、おばさんは。幸せだったんだって、分かった」
天城 康介:「……なあ、やどり」
速水 やどり:「……はい」
天城 康介:「俺は、あざみさんのことが好きだ。……好き、っていうのは、その人に幸せになってほしい、自分が幸せにしたい、って願うことだと……俺は、思ってる」
速水 やどり:「……はい」空いた手で、胸を押さえる。分かってはいても、その言葉は痛い。
天城 康介:目の前の少女の顔は、いつもと同じ冷静なものに見えても。それが、彼女が纏う鎧であることも、今は分かる。
天城 康介:──だから、あと一歩。
天城 康介:「……昔の、やどりの家みたいに。この世界の、おじさんおばさんみたいに、やれるかは、分からないけど」
天城 康介:「俺は、やどりに幸せになってほしい。……やどりを幸せにしてやりたいって、思ってる」
速水 やどり:「……こうすけさんは、欲張りですね」その言葉を聞いて、顔をくしゃりと歪める。
速水 やどり:目の前のひとは、本気で言っていると。そう分かるから。
天城 康介:「うん。……褒められたことじゃないっていうのも、分かってる。いつか、ちゃんと答えを出さなきゃいけない、っていうことも」
天城 康介:「けど、俺の願いは、本当で本気だ」
天城 康介:「……だから、やどり」
天城 康介:重ねていた手を、両手でそっと包む。
天城 康介:「帰ろう。みんなで、一緒に。……俺と一緒に」
天城 康介:──自分も、覚えている。"この世界"で、ひとりぼっちになってからのこと。彼女の両親に、彼女と分け隔てなく扱ってもらえたこと。
天城 康介:──そんな両親と、彼女が、楽しそうに笑っていたこと。
速水 やどり:……『こっち』の世界の方が、自分にはどれだけ都合がいいだろう。
速水 やどり:全てを思い出した今でも。今なら。両親とも、前より上手くやれるだろう。
速水 やどり:この人との距離も、ずっと近い。
速水 やどり:……それでも。
速水 やどり:五年ぶりだった。今の私の中で。温かな家族とのふれあいは。
速水 やどり:それは、つまり。自分の人生のおよそ半分ぶりであって……
速水 やどり:もう半分は。あの街に生きる人々の、日常の楯であるべき私は。否定しなければならないのだ、『こっち』を。
速水 やどり:それに。なにより。
速水 やどり:「……ずるいですね」
速水 やどり:「……惚れた相手にそんな情熱的に誘われたら。仕方ないじゃないですか」
速水 やどり:「えぇ。帰りましょう。一緒に」
天城 康介:「……ふたりから、一気に不意打ちされたからな。俺も、これくらいはしなきゃ、不公平だ」
天城 康介:そんな軽口を、叩いてから。
天城 康介:「……それじゃあ、行こう。俺たちがやりたいこと、やるべきことは」
天城 康介:包み込むように、ではなく。手と手を、しっかりと握り合って。
天城 康介:「ここじゃないどこかに、あるんだ」
速水 やどり:きゅっと、その手を握りしめて。
速水 やどり:「えぇ。行きましょう」
GM:シーン終了。ロイス取得と購入をどうぞ。
速水 やどり:天城くんのロイスをSロイスに。
天城 康介:こちらからも。やどりちゃんのロイスを、Sロイスに指定。その上で、感情を「■純愛/不安」に変更。
速水 やどり:調達は一応ブルーゲイル狙いで。
天城 康介:購入はなしで!
速水 やどり:3dx+1>=20
DoubleCross : (3R10+1[10]>=20) → 10[8,10,10]+8[6,8]+1 → 19 → 失敗
速水 やどり:財産1入れて買っておきます。後で渡そう。
速水 やどり:以上!
GM:登場可能PC:パイライト。登場侵蝕をどうぞ。
パイライト:パイライトの侵蝕率を+10(1d10->10)(侵蝕率:58->68)
N市 第12地区 ──家
GM:視線に込められた君への想い、僅かに色濃くなってはいたものの
GM:いつも通りに見送られ、君は目的地に、大切な場所へ向かった。
GM:多少、地形の違いはあったが。それでも君は辿り着けた。
GM:なぜならそこも、君にとってはいつも通りの場所なのだから。
パイライト:脚が止まることはない。覚えているのだから。
パイライト:好奇心、というものだったのか。それとも何かの予感を得ていたからか
パイライト:あの場所が、ここでどうなっているのか。ただそれを確かめようと
パイライト:──それがどんなものになっていたとしても。見ずにはいられなかった
パイライト:「……」
パイライト:表札があったであろう窪みに触れる
桑幡 嗣実:「ちょっと、君。こんなところで何してるの」
桑幡 嗣実:夕焼けの中。背後から、聞き覚えのある気がする声がした。
パイライト:門扉は閉じられ。針金で、くくりつけられた「立ち入り禁止」の看板に目が向いて
パイライト:その声に、振り向いた
桑幡 嗣実:小柄な女がいた。背丈自体はパイライトと大して変わらない。分厚い眼鏡。眉間によったシワ。
パイライト:「──こんばんは」
パイライト:い、より始まる音を呑み込んで。そう返した
桑幡 嗣実:活動的なパンツスタイルに、一本に結んだ長い髪を肩に流して、逆の肩にはカメラバッグを担いでいる。
桑幡 嗣実:「こんばんは。……どこかで会った?」
パイライト:「……ナンパみたいな言い方だね」
桑幡 嗣実:「取材よ」
桑幡 嗣実:ごつい一眼レフを覗かせる。
桑幡 嗣実:「この家の写真を撮りにきたの。入室許可ももらってる」
桑幡 嗣実:不動産屋のプレートがついた鍵を見せる。
パイライト:「……こんな空き家を?」
桑幡 嗣実:「そう。こんな空き家を。幽霊屋敷で肝試し? 一人でやっても面白くないと思うけど」
桑幡 嗣実:返事がないのを確認して、がちゃがちゃと玄関を開く。固くなっていたのか少し手間取るが
桑幡 嗣実:扉を引いて、すでに真っ暗な屋内を背に。
パイライト:「……」
桑幡 嗣実:「そろそろ六時よ。小学生が出歩いてると見回りに怒られる時間じゃないの」
パイライト:「怒られるより怖いことがあるから」
桑幡 嗣実:「何?」
パイライト:返して、空いた門を通る
桑幡 嗣実:「ちょっと」
パイライト:「肝試しが一人でつまらないって言うなら」
パイライト:「取材を見てる方が面白いかなって」
パイライト:少年の顔は変わらない。ただ淡々と、言葉を繰って。
パイライト:帰るつもりはない、と。おそらく彼女が来なければ、無理矢理に鍵を開けていただろう
桑幡 嗣実:「…………」しばらく、パイライトの顔をじっと睨むようにして。
桑幡 嗣実:「そう。なら、勝手にしなさい」
パイライト:「そうするよ」
桑幡 嗣実:すたすたと家の中へ。分厚い埃の積もった廊下へ土足で上がり込んで……
パイライト:続くように中へ踏み込む。
パイライト:その足取りは躊躇いなく。何があるのか、見知っているような仕草で
桑幡 嗣実:特に何か言うでもなく、大股に向かうのはリビングだ。
桑幡 嗣実:……説明も何もなかったが、パイライトはよく知っている。
パイライト:家具もないそこは、見慣れたものより随分と広く感じられた
桑幡 嗣実:カーテンもかかっていないが、部屋の中はすでに真っ暗だ。懐中電灯をつける。
桑幡 嗣実:剥がれ落ちかけた壁紙に、古く黒い染みが点々と飛び散っている。
桑幡 嗣実:「■■年に」
桑幡 嗣実:「T大の心理学教室助教授だった猫柳当摩と妻、一人娘がここで殺された」
桑幡 嗣実:床に懐中電灯を置いて、カメラを構える。シャッター音。
パイライト:無事な壁に寄りかかり。語る彼女を見る
桑幡 嗣実:「娘は犯人が立ち去ったあとも生き残っていて、搬送された病院で死んだんだけど」
桑幡 嗣実:「名前は──」
パイライト:「猫柳麻子」
パイライト:シャッター音と共に。その名が零れ出る
桑幡 嗣実:「……調べてたの?」
桑幡 嗣実:振り向く。
パイライト:「調べてはいないよ」
桑幡 嗣実:「不自然」
桑幡 嗣実:ぴしゃりと言い切る。
パイライト:「だろうね」
桑幡 嗣実:「変な子ね」
パイライト:「よく言われるよ」
パイライト:「そんな変な子供でも。ちゃんと向いてくれる人だったけどね」
桑幡 嗣実:「……どちらかといえば家に籠りがちで」
桑幡 嗣実:「年下の世話とかするタイプには見えなかった、って話だったけど」
桑幡 嗣実:「そう。なら、仕方ないわね」
桑幡 嗣実:何か一人合点した様子で、部屋をすたすたと出ていく。
桑幡 嗣実:戸口で振り向く。
桑幡 嗣実:「二階にいくけど。まだついてくる?」
パイライト:「最後まで行くよ。中途半端はよくないって、教えられてる」
桑幡 嗣実:「そう。好感の持てる親御さんね」
パイライト:「本当に」
桑幡 嗣実:二階。押し開ける扉は、よく知った場所だ。
桑幡 嗣実:埃臭い闇の中。分解しなければ戸口を通らなかったのだろう学習机だけが放置されている。
桑幡 嗣実:カメラのシャッター音。
桑幡 嗣実:「お父さんかお母さんか知らないけど」
桑幡 嗣実:「仲良くしたほうがいいわ。大喧嘩になったら、家を飛び出す騒ぎくらいにはなるから」
桑幡 嗣実:振り向く。
桑幡 嗣実:「私みたいにね」
パイライト:「覚えておくよ」
パイライト:「よく知ってるよ、お姉さんみたいな人」
桑幡 嗣実:「知り合いみたいに言うのね」
桑幡 嗣実:「君、変なやつだって言われない?」
パイライト:「素直で角がないから撫でやすいとか言われるよ」
桑幡 嗣実:「動物じゃないんだから」
パイライト:「大きな猫なら飼う予定」
桑幡 嗣実:カメラをカメラバッグにしまう。懐中電灯を手に取る。
桑幡 嗣実:「大変らしいけど。猫を飼うの」
パイライト:「気紛れだから好かれるかで苦労するらしいね」
桑幡 嗣実:「私には無理ね。犬のほうがいい。……まあ、もしやるならそれより先に、ペット可の家を探さないとだけど」
パイライト:「一人で生きていくのは大変?」
桑幡 嗣実:「当たり前でしょ」
桑幡 嗣実:「奇特な雇い主のお陰で、ちょっとはどうにかなってるけどね」
桑幡 嗣実:「……この街は、ちょっとおかしいの。知ってる? 君」
パイライト:「……聞いてみたいかな。結構噂とか好きだから」
桑幡 嗣実:「殺人事件と行方不明者が、やけに多い。全国統計より七割増しでね」
桑幡 嗣実:「私も昔、知り合いが殺されたの。それで、中学までずっと放課後調べて回ってた」
桑幡 嗣実:「当然、親と大喧嘩になってね。でも気持ち悪いでしょう。何もしないでいるなんて」
桑幡 嗣実:「そこに何か、あきらかにおかしなものがあるのに、そのままにしておくとか」
パイライト:「…………」
パイライト:吐息。どこかそれは、薄く喜の色を含ませていて
桑幡 嗣実:「それで、中学卒業してから、知り合った、自称ゴシップライターの事務所でお世話にね」
桑幡 嗣実:「……何にやにやしてるの。君」
パイライト:「……してた?」
パイライト:自分の頬を両の人差し指で、ぐにぐにと持ち上げては下げて
桑幡 嗣実:「ええ」
パイライト:「そっか。うん」
パイライト:「なら、嬉しかったんだろうね」
パイライト:世界が変わろうと。
パイライト:「桑幡お姉さんは、変わらずにいたことが」
桑幡 嗣実:「なんで私の名前を知ってるの?」
桑幡 嗣実:睨みつけるように。カメラバッグにさりげなく手を添えるのは、まあ、いざとなったら鈍器として使うためだろう。
パイライト:「……警戒しないで、と言っても無理か」
パイライト:施錠された窓の鍵を開けて。雨戸を開く
パイライト:空は藍色に満ちて。冷たい空気が流れ込み
パイライト:「よく知ってる。間違ったことをそのままにできなくて」
パイライト:「自分が決めたのなら、それを曲げることはない」
パイライト:「それと。うじうじしてる相手が嫌いだったり」
パイライト:「猫の相手も意外と得意とか」
桑幡 嗣実:「だから、猫は苦手だって……あのね」
桑幡 嗣実:「君が何だろうと。おかしなことをするつもりなら」少しだけ、声が震えているのに気づくかもしれない。
桑幡 嗣実:「全力で抵抗するから。いっておくけど」
パイライト:「しないよ」
パイライト:「ぼく、桑幡お姉さんには頭が上がらないからね」
桑幡 嗣実:無言で睨みつける。警戒の色があらわで。まあ、当たり前だろう。
桑幡 嗣実:疑問や、間違ったことは放っておけない。君が知るかぎりで、これはそういう人物だから。
パイライト:これは、夢に過ぎない。こうして語ったところで意味はない。泡のように消えてなくなる
パイライト:それでも、口は動く
パイライト:「ありがとう、桑幡お姉さん」
桑幡 嗣実:「何が」
パイライト:「猫柳お姉さんのことを、残してくれて」
パイライト:「きっと、メモ書きの端に残すだけで終わったとしても」
パイライト:「誰も知らないよりはずっと、いい」
パイライト:窓枠に、腰掛ける
桑幡 嗣実:「……当たり前よ。だって」
桑幡 嗣実:「どんなに綺麗に見えても、安心できても、恐ろしいものに目をつむってるだけだなんて」
桑幡 嗣実:「そんなのは、間違ってる」
桑幡 嗣実:震えていた声は、言葉を続けるたびにはっきりとしたものになる。
パイライト:「うん」
パイライト:「よかった。話ができて」
桑幡 嗣実:「そう」
桑幡 嗣実:「やっぱり変よ。君」
パイライト:「──猫柳お姉さんとは、逢えなかったけど」
パイライト:「そうだね。でも、やっぱりぼくは──」
パイライト:「“ここ”で貴方に逢えたことに、意味があったと。そう思う」
パイライト:「……パイライト」
桑幡 嗣実:不審げに眉を顰める。
桑幡 嗣実:「変な名前ね」
パイライト:「意外と気に入ってるよ」
パイライト:「呼ばれていれば。好きになるものだから」
パイライト:バランスを取りながら。窓枠にかけていた手を放して
桑幡 嗣実:「!」
桑幡 嗣実:視界のすみで、手をのばす姿が一瞬見えましたが。それも本当に一瞬のこと。
パイライト:少年の瞳が。暗がりに紛れながらも、一瞬輝いたように見えた
パイライト:「またね。委員長さん」
パイライト:後ろに体が倒れ。落ちてゆく少年が、彼女には見えただろうか。
パイライト:窓より外を見ても。そこには何もない。
パイライト:ただ、影が。──光の角度にしては不自然に伸びた影だけがあった
GM:シーン終了。ロイス取得と購入をどうぞ。
パイライト:ロイスは桑幡お姉さんへ 「変わらないな:〇尊敬/隔意」
パイライト:調達は……パス
GM:OK!
GM:登場可能PCは日馬美礼。登場侵蝕をどうぞ。
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+3(1d10->3)した(侵蝕率:56->59)
日馬 美礼:59。まずまず
N市 第2地区 道坂医院 特別個室にて
GM:常ならぬ出会いを経て、こことは違う世界のことを思い出して
GM:それでもあなたを取り巻く世界は、未だこの部屋と地続きの幾ばくか。
GM:消灯時間の少し前、いつも通りに看護師が部屋を訪れる。
GM:この曜日の担当は、そう。
小子内渚:「入っても良いですか」控えめなノックと共に、穏やかながら、さっぱりとした声。
日馬 美礼:『どうぞ』
日馬 美礼:びりびりと震える声。ベッドの上
小子内渚:「失礼します。何か変わったことはありませんか」ゆっくりと入室して、手際よく作業をこなす。
日馬 美礼:『いえ。へいきです、小子内さん』
日馬 美礼:苦手な発音を避けた、機械のような子供の声。自分の声だ。
小子内渚:室内に妙なものがないか、窓は施錠されているか、動物たちに異常はないか。
小子内渚:「そうですか。それは何よりです」そして最後にあなたの元へ向かう。機器や体調をチェックする。
小子内渚:「……日馬さん」
日馬 美礼:『なんですか。小子内さん』
小子内渚:「このところ来れてなかった喜多川未知留さん、なんとか峠は越えました」
日馬 美礼:しゅうしゅうと呼吸音。ゆっくりとまばたきをする。
小子内渚:「またすぐに会いに行くそうです。寂しくしていないか心配だ、とか」
日馬 美礼:『ありがとうございます』
日馬 美礼:『へいきだ、と、伝えてください』
日馬 美礼:『友だちも増えました』
日馬 美礼:ベッドの上で、かさかさの頬をひきつらせて、不器用にウインクをする。
小子内渚:「はい、頼まれました……それは良いことですね」
日馬 美礼:『はい』
小子内渚:彼女や君と話すときには、緩やかな笑みを浮かべて。
日馬 美礼:しばらく、耳障りな呼吸音と、バイタルモニターの刻むリズムだけが聞こえる。
小子内渚:「廊下まで出て行ってたとは、何か気分の良くなることでもあったんですか?」
日馬 美礼:『わたし、ここでこうして、過ごしてきました』
日馬 美礼:『そうですね』
日馬 美礼:『夢を見たんです』
日馬 美礼:『私が私のまま、生きていられる世界の夢』
日馬 美礼:眼球だけを動かして、壁際に並んでいるガラスのなかに切り取られた自然を見る。
小子内渚:「……」
日馬 美礼:海。小さな森。川。青々とした葉の上で、花のような虫がゆっくりと伸びをする。
小子内渚:「夢の中のあなたは、どんな人と過ごしていましたか?」
日馬 美礼:『ここでよく会う、みんなと』
日馬 美礼:『未知瑠さんもです。もちろん』
日馬 美礼:『小子内さんは』
日馬 美礼:『世界が夢ならと、考えたこと、ありますか』
小子内渚:「私が、ですか」
日馬 美礼:『はい』
日馬 美礼:バイタルモニターの刻む無機質なリズムが聞こえる。
小子内渚:瞳を伏せて、僅かに逡巡して。
小子内渚:「もしも、と思うことはあっても」
小子内渚:「直ぐに忘れるようにしています。夢のことは」
日馬 美礼:『どうしてですか』
小子内渚:「私の夢は失礼ですから。現実に対して、別れた人達に対して」
日馬 美礼:しゅうしゅうと、耳障りな呼吸音。
小子内渚:「……すいません。患者の前で語る言葉ではなかったですね」
日馬 美礼:『私も』
日馬 美礼:『たぶん、そうです』
日馬 美礼:『別れた人たちと、出会えた人たちに』
日馬 美礼:『ごめんなさい。小子内さん』
日馬 美礼:『こたえにくいことを』
小子内渚:「いいんですよ。なんでも言って」
小子内渚:「わがまま言っていいんです。面倒じゃない範囲なら聞きますから」
日馬 美礼:『そのときは、いいます』
日馬 美礼:『へいきです』
日馬 美礼:なんどかまばたきして、ゆっくりと目を閉じる。
日馬 美礼:『ありがとう、おやすみなさい、小子内さん』
小子内渚:「ええ、おやすみなさい……ああ、私も一つ、言ってよいでしょうか」
小子内渚:扉の向こうへ消える前に、一言。
日馬 美礼:ゆっくりまぶたをひらくのは、見えたかどうか。
小子内渚:「日馬さんの夢の中に、喜多川さんが出てきたことを」
小子内渚:「きっと喜ぶでしょうから、彼女」
日馬 美礼:『それなら、いいですね』
小子内渚:「そうですよ。寂しがりやですもの」
GM:くすりと笑って、彼女は去った。
日馬 美礼:ゆっくりと目を閉じる。夜が明けるまで、いい夢は、見られるだろうか。
GM:シーン終了。ロイス取得と購入をどうぞ。
日馬 美礼:ロイス取得……は、血涙を流しつつ保留(あと2枠)
日馬 美礼:購入は念の為ブルゲを一服。コネをつかって
日馬 美礼:5dx+4>=20
DoubleCross : (5R10+4[10]>=20) → 9[3,3,8,8,9]+4 → 13 → 失敗
日馬 美礼:ん。財産点7使って成功、残り財産点14。以上。
GM:全員登場可能。登場侵蝕をどうぞ。
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:59->63)
速水 やどり:60+1d10
DoubleCross : (60+1D10) → 60+9[9] → 69
パイライト:パイライトの侵蝕率を+4(1d10->4)(侵蝕率:68->72)
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+3(1d10->3)した(侵蝕率:55->58)
GM:
GM:それではプライズ判定を再開、おそらくこれが最後ですね。
技能・意志 任意の情報
難易度・9
プライズ・8/10
最大達成値・30
GM:というわけでオープンセサミよ~
パイライト:いつもの。コネ使ってUGNで
日馬 美礼:10以上。フツーにいけるはず…普通に振る。学問。
速水 やどり:コネ:UGN幹部使って、情報:UGNで判定。
天城 康介:段階が…増えた…!普通に噂話で!
パイライト:4dx10+1>=9
DoubleCross : (4R10+1[10]>=9) → 3[1,1,3,3]+1 → 4 → 失敗
天城 康介:5dx+1>=9
DoubleCross : (5R10+1[10]>=9) → 8[2,3,5,6,8]+1 → 9 → 成功
速水 やどり:5dx+4>=9
DoubleCross : (5R10+4[10]>=9) → 9[3,5,6,7,9]+4 → 13 → 成功
パイライト:オワー
日馬 美礼:6dx+1>=9
DoubleCross : (6R10+1[10]>=9) → 8[2,3,3,6,6,8]+1 → 9 → 成功
日馬 美礼:速水さんが抜いてるから大丈夫ですね
速水 やどり:これで満了かな
パイライト:さすがやどりちゃん
GM:やどりちゃんさすが。
天城 康介:さすやど。
GM:これにてPPは10/10。
GM:まずひとつ。
PP:9
"虹紡ぐ円環" ルールー・リール
あなたたちは、思い出した。
きみたちが遭遇した"小子内晴久"と、死んだ小子内渚の婚約者は顔が違う。
その顔は、第9支部にて何度かイリーガル活動をしているRBのものである。
シンドロームはオルクス。他者や動物を操作する能力に長けていた。
また、触媒と呼ばれる、他者のレネゲイドを活性化させる特殊能力があった。
GM:そして最後にこちら
PP:10
ジャーム「ルールー・リール」が<愚者の契約>で叶えた、小子内渚の願い。
それは『もしもレネゲイドウィルスが無かったら』という仮定の話だ。
願いの核心こそ強固であれ、彼女が切に願ったとは言い難い。
よって結実にあたり、外部の力を借りることとなった。
演算機能としての速水やどり、膨大なデータベースと接続された日馬美礼、
賢者の石の欠片たるパイライト、心を診る小子内渚。
多くの事象と絡みし特異点、天城康介。
運営に協力させられているあなたたちは、いずれ負担で限界が来るだろう。
だが、故にこそ、あなたたち自身が突破口である。
Dロイスが使用可能になりました。
GM:Eロイス《愚者の契約》の代償は契約者+PCの侵蝕率増幅(登場してる分)。
GM:脱出方法は、判定です。
GM:【この世界との決別】難易度30 技能:意志
N市 第9地区 速水家にて
速水 やどり:「……」玄関の前で、天城君の手を握りながら。立ち尽くしている。
速水 やどり:つい今朝ぶりの玄関であり、五年ぶりの玄関だ。
速水 やどり:扉を開けば、『ここ』の両親が。笑って、出迎えてくれるだろう。
速水 やどり:「……」だから。この扉は、開かない。開けない。『ここ』から決別する意志を示すべき、今となっては。
天城 康介:小さな手を握りながら思うことは、ふたつ。ひとつは、感嘆。……決意を固めた少女に、憧れにも似た何かが湧き上がって。
天城 康介:そして、もうひとつは。
天城 康介:「……いいんだよな。これで」
天城 康介:ここまで来て、自分の手は、僅かに震えている。それを、恥じ入るように。けれど、隠すことなく。
速水 やどり:「えぇ。遅からず、この『夢』には限界が来ます。それまでに、脱出しなくては。……全く、勝ち逃げをさせてくれない事情ばかりがやってきます」気丈に、微笑みながら。
天城 康介:「勝ち逃げ出来るのに、それをしない。だから困るんです、って」
天城 康介:「……楽しそうに言ってたよ。あざみさんが」
速水 やどり:「……こんな事故に頼らなくっても、きっと貴方を夢中にさせてみせますから」
速水 やどり:「楽しみに、待っていてください」
天城 康介:「うん。……俺も、頑張るよ。好きでいてもらうのに、相応しい奴でいたい」
天城 康介:改めて宣告された意志に、応えるように。小さく頷いてから。
速水 やどり:「えぇ。それでこそ、です」
天城 康介:繋ぐ手に、少しだけ、力を込める。
天城 康介:「……行こう、やどり。俺たちは、まだまだやりたいことがあるんだ、って」
天城 康介:──やるべきことが、あるんだ、と。
天城 康介:「真正面から、ぶつけてやるんだ」
速水 やどり:「はい」
天城 康介:ふたり、頷いて。再度、開かない扉を見据えて。
天城 康介:一時の安らぎに、告げる言葉は、ふたりでひとつ。
速水 やどり:「「いってきます」」
GM:──いつもどおりの、言葉を以て
GM:──あなたたちは、別れを告げた。
N市 第12地区 七原鹿島神社 剣術道場にて
パイライト:──板張りの道場。そこに一人、胡座をかいて。
パイライト:少年は眼を伏せ、呼吸を整える。
パイライト:稽古が終わり、片付けも済ませた。
パイライト:外から入り込むのは風と虫の音色
パイライト:眼を開く。ゆっくりと近付く気配に、慣れたものを覚えて
パイライト:「……直さん?」
真堂直:「……ふう」まっすぐに向ける視線は、穏やかなものだ。
真堂直:彼方でも、その思いはそう変わるものではないけれど。
真堂直:きみに向けられた、左右同じ色の瞳。険しいところは一つもなくて。
真堂直:「……何があったのか、聞いても良いですか」今は、不安に揺れている。頭を打ってからずっと。
パイライト:「……」
パイライト:「言って、理解してもらえるかはわからないけど」
パイライト:「それでもいいなら」
パイライト:嘘はつくなと教え込まれている。ここでも
真堂直:静かに正座。きみの真正面に。
真堂直:「教えてください」
真堂直:「パイライトくんの言葉で」
パイライト:──少年の顔と言葉は硬く。ずっと見て来た彼女が知るものではなく
パイライト:ゆっくりと伝えていく。荒唐無稽、子供の作り話と言えるような断片
パイライト:人間ではない。
パイライト:仲間がいる
パイライト:帰る場所はここではない
パイライト:だから
パイライト:「行かなきゃならない」
パイライト:「ぼくはここに、いられないから」
パイライト:思春期の妄想と笑い飛ばすには充分だ
パイライト:でも知っている。この人は
真堂直:「そうですか」
真堂直:一度も目を逸らすことなく、きみの言葉に耳を傾けて
真堂直:「わかりました」受け入れた。そのすべて。
パイライト:「うん」
パイライト:「ありがとう。聞いてくれて」
真堂直:「私に出来ることは、これぐらいですから」
真堂直:「……少し待っていてください。渡すものがあります」
真堂直:そう言ってから、待たせること数分。
真堂直:きみに手渡したのは、刀剣の鍔。
真堂直:「あなたが旅立つとき、渡すようにと啓介が」
パイライト:細工に見覚えがある。“ここ”の師匠が祭事や演舞で使う愛用の一振りに使われていたもの
パイライト:「……師匠らしい」
パイライト:それを受け取って。握り締める
パイライト:「気付いてたのかな。もしかして」
真堂直:「パイライトくんぐらい素直な人なら、私も助かるんですがね」くすりと微笑む。
真堂直:「それと、最後に私から」
真堂直:ゆっくりと近寄る。
パイライト:立ち上がって。彼女と向き合い
真堂直:そのまま抱きしめる。
真堂直:綺麗な金の髪に指を通す。大切なものを、慈しむ。
真堂直:偽りである、とか。疑っているわけではない。きみの言葉を信じている。
パイライト:ただされるがままに。手指の感触と、熱を受けて
パイライト:かつて求めたものがあったことを、わずかに思い出す
真堂直:だからこそ、愛おしむのだ。最後の時間で少しでも、彼に残してあげたいと。
真堂直:その想いに、嘘も偽もないのだから。
真堂直:「……パイライトくん」
パイライト:「はい」
真堂直:「いってらっしゃい。気を付けて」
パイライト:「……」
パイライト:──産まれたばかりの話。いまより、何も知らなかった頃の話
パイライト:痛いばかりのあの場所で。誰かに守って欲しかったと求めるだけだった頃
パイライト:誰かの記憶の底にあるものに手を伸ばしていた頃
パイライト:ここにはそれがあった
パイライト:でも。握られた鍔に、力が籠もる
パイライト:「直さん」
真堂直:「はい」
パイライト:ここに。あの人は、いないから
パイライト:「行ってきます」
真堂直:肩に手を置き、そっと距離を置く。
真堂直:君の眼を、見る。
パイライト:「──目を離しちゃいけない人が、待ってるから」
パイライト:逸らさずに。視線を受け止めて
パイライト:背を向けて、歩き出す
真堂直:胸にこみ上げた言葉は、幾らでもあるけれど。
真堂直:贈るべき言葉はもう尽きたから。視線だけで見送る。
パイライト:感じる視線は、どこまでも続いて
パイライト:道場の外。神社の石畳の上を、駆ける
パイライト:昇るだけで疲れていた長い石階段が待つ。──跳ぶ
パイライト:広がる街の風景と、浮遊感。あの時には失敗した
パイライト:──右手を伸ばす。袖口から伸びた影が、頭の抜けた高さの老木に巻き付き、己の体を引き寄せて
パイライト:やれると。確信しながら、己の体は宙を舞い。目的地へと奔ってゆく
GM:──まっすぐに、迷うことなく進むきみは
GM:──辿り着くだろう。行きたい場所へ、目指す世界へと。
N市 第2地区 道坂医院 日馬美礼の元にて
日馬 美礼:自分以外に誰もいない特別室はひどく静かで、耳に慣れた呼吸音は遠く。
日馬 美礼:切り取られた無数の「世界」が壁際に並んでいる。身体に入り込んだチューブとコードは、わたしのいのちとこころを保ってくれている。
日馬 美礼:知っている。日馬美礼は愛されて生きてきた。いつだって。どんなときも。どこでだって。
日馬 美礼:だから、大丈夫だ。
日馬 美礼:たくさんの世界を与えてくれようとした、生きていてほしいと言ってくれた人は、私にもいた。
日馬 美礼:それは間違いないことなのだから。
日馬 美礼:右手のボタンを押し込む。
日馬 美礼:『そろそろかな』
日馬 美礼:誰がいるわけでもないけれど、ざらざらとした声で、確かめるように。
天城 康介:控えめに、ノックが二回。返事を待つことなく、がちゃりとノブが回る音がして。
天城 康介:少年と少女が、キミの待つ病室へと姿を見せる。その、表情は。
天城 康介:「お待たせ。……こっちは、いつでも」
速水 やどり:「失礼します……お待たせいたしました」
日馬 美礼:『よおこそ』いかにも慣れていないというふうに、不器用に笑顔を作る。
天城 康介:スッキリした。晴れやかな。どう呼ぶべきか定かではないけれど。
天城 康介:「……うん。やっぱり。日馬支部長は、いつもの声と調子じゃないと、こっちのペースが狂う感じだ」
天城 康介:決して、暗いものではなかった。
日馬 美礼:『……あとは、パイライトくんかな』
パイライト:「呼んだ、日馬支部長」
パイライト:二人の後ろから。声がして
パイライト:「少し遅れたかな。やどりちゃん、天城お兄さん」
天城 康介:「いいや、ぴったりだ。……そっちも」
天城 康介:「……言えたかな。この街で、最後に言いたいことを」
パイライト:「うん。しっかりと」
天城 康介:相変わらず表情の読めない、けれど鉱石のように輝く目を、見つめて。
パイライト:「──見送ってもらえた。充分すぎる」
速水 やどり:「……それは、なによりです」薄く笑む。
GM:こうして、再びあなたたちが集まった病室へ
日馬 美礼:『揃いましたね。最後の一人も、もうすぐに』
GM:向かう足音。すこし慌ただしく。
小子内渚:「日馬さん!?」ノックもせずに入る彼女。声も表情も険しいもの。
小子内渚:あなたたちが、見たことのないものだ。
小子内渚:「……えっと」
小子内渚:「お友達、ですか?」
速水 やどり:「……呼び出し方、もしかしなくても荒っぽい方法でしたね?」小声で日馬さんに。
日馬 美礼:『ナースコール』
天城 康介:「……え、っと」
速水 やどり:「……慌ててくるわけです……」
パイライト:「上司と部下?」
天城 康介:漏れ聞こえたひそひそ話に、なんともいえない顔で曖昧に頷きながら。
天城 康介:「……兼、友達、かな」
小子内渚:「……よくわかりませんが、わかりました」嘆息。
小子内渚:「そのような悪戯はしないでくださいね。仲が良いのは、歓迎しますが」
小子内渚:「おかえりになる際は受付にて。しっかり伝えてください」
パイライト:「はい」
日馬 美礼:『帰るところはないんだよ。小子内さん』
日馬 美礼:『夢は、終わらせよう』
小子内渚:「日馬さん、何を……?」
日馬 美礼:『聞いた通りです。今が夢だと、小子内さんも、気がついているよね』
日馬 美礼:びりびりと、機械のような声で。
小子内渚:「……それは」その言葉に、目は逸らせない。
日馬 美礼:『楽しくても、幸せでも、夜があければ、夢は終わるものです』
日馬 美礼:『ここに全員います。夢を見ている人が』
日馬 美礼:『帰ろうと考えています』
小子内渚:「……ああ、そうですね。そうだ」ぐしゃぐしゃと頭を掻きむしって。
小子内渚:「こんなことも、私は忘れたりして」
小子内渚:「……日馬支部長、私は……」
日馬 美礼:『いいですよ。みんな忘れていたんだから』
速水 やどり:「思い出していただけたようで、なによりです」小子内さんに向けて。
日馬 美礼:『さあ、これで揃いました。速水さん、みんなのことをよろしく』
天城 康介:「……忘れていたい、って思ってたのも、本当のことだし、な。でも──」
日馬 美礼:『天城くん。お願いできますか』
天城 康介:ああ、と頷いて。
小子内渚:「……天城、康介くん」
小子内渚:「手伝って、くれますか。私の後片付けを」
天城 康介:「……俺たちが生きてるのは、ここじゃない。そうだろ」
天城 康介:誰に問いかけるでもなく。自分に言い聞かせるように。──その、証拠に。
天城 康介:この期に及んで、力なく開いた手が、小さく震えて──
GM:判定内容を改めて提示します。
GM:【この世界との決別】難易度30 技能:意志
天城 康介:では、その判定は自分が。
速水 やどり:では、判定前に。
速水 やどり:《アドヴァイス》Lv7。
速水 やどり:天城君の次のメジャーアクションのダイス+7個、C値-1。
速水 やどり:侵蝕+4して73。
天城 康介:ありがたく。判定前に、特異点の使用を宣言。判定の達成値に+20します。
天城 康介:意志判定!技能とアイテム、支援、特異点の修正込みで……
天城 康介:8dx9+2+1+20>=30
DoubleCross : (8R10+2+1+20[9]>=30) → 10[1,2,2,4,6,7,9,10]+6[2,6]+23 → 39 → 成功
天城 康介:OK,突破!
速水 やどり:……天城君の震える手を、ぎゅっと握りしめる。その熱が、伝わる。
天城 康介:──いつものように、思考に澄み渡る声だけではなく。そして、繋いだ手から伝わる熱が加わって。
速水 やどり:「……えぇ。一緒です。だから、大丈夫」囁く声が、君に届く。
天城 康介:「……うん。みんな、一緒だ」 一言目は、はっきりと。
天城 康介:「……やどりと、一緒だ。だから」
天城 康介: 二言目は、囁き声に応えるよう、密やかに。
天城 康介:「……大丈夫、だとも」
天城 康介:その宣言を以って。仮初の平穏を、拒絶する。
小子内渚:「……!」
GM:世界の像が、ほどけていく。結びつきが、裏返っていく。
小子内渚:彼女のエミュレートが断たれたから。その仮想は消失していって。
小子内晴久:「いえ、渚さん。もう少し忘れていたままでいてください」
GM:真っ白い空に、巨大な卵と大きな円環。
GM:円環の上に立つのは6人。
小子内晴久:エネミーエフェクト《失われた隣人》対象は小子内渚。
小子内晴久:対象が《ブレインジャック》の影響下にあるため自動成功。
小子内晴久:対象はPC4人のことを認識できなくなり、そのまま夢へ沈みます。
小子内渚:「……」ぼう、と。その場で呆けて佇む。
小子内晴久:「おやすみなさいませ。まだまだ付き合ってくださいね」
小子内晴久:あくまで優しい態度を崩さずに語りかけて。
"虹紡ぐ円環":「あなた方にも、ね」
"虹紡ぐ円環":あなた方に対するその姿は、ひどく虚ろ。
日馬 美礼:「やれやれ、悪趣味だね。"ルールー・リール"と呼べばいいのかな?」
"虹紡ぐ円環":白黒とノイズ。演算に対する最低限の負荷。
"虹紡ぐ円環":「できれば小子内晴久と、強要はしませんが」
日馬 美礼:「ぼくの主義として、希望には答えたいところだけど、露骨に偽名、それも別人の名前だと知っていると、どぉにもね」
天城 康介:「……それに、これ以上。あんたの決めたことに乗っかるのは、御免だ」
"虹紡ぐ円環":「それは残念。私が決めたというわけではありませんが……」
"虹紡ぐ円環":「あなた方は、こうすると決めたのですから。仕方ありませんね」
YAGOKORO:- initializing ....................... O.K. -
日馬 美礼:「そうだね。残念だが、きみをここで逃すわけにはいかない」
日馬 美礼:「もしジャーム化していなかったら、有意義な話もできそうだと思ったんだけどね」
"虹紡ぐ円環":「……なるほど、それがあなたの本当の姿ですか」
"虹紡ぐ円環":「確かに、私としても興味深い仮定です」
日馬 美礼:「ああ、そぉだね。UGN支部長、日馬美礼とはぼくのことさ」くふふ。と、人の悪い笑みを浮かべて。
日馬 美礼:「それこそ"たられば(what`s if)"の話だ。それに、わざわざシミュレーションを出力させてたところを見ると…」
日馬 美礼:「きみ自身だけでは、人の内面にはアクセスできないんだろ? 情報の入出力部分をコントロールするのは得意みたいだけど」
日馬 美礼:「それなら、ぼくらにもできることだ。時間はかかるけど、自力でやったほうがだいぶおもしろい」
"虹紡ぐ円環":「苦手なもので、一番親しく思っていた人にもこのざまです」苦笑して。
"虹紡ぐ円環":「ですので、私は止まりません」
"虹紡ぐ円環":「この身で言うのもなんですが……」一種の同朋とも言える少年に、僅かに細めた目を向けて。
"虹紡ぐ円環":「レネゲイド・ウイルス。その存在は果たしてどのような意味があるのか」
"虹紡ぐ円環":「……初めから無い方が良かったのか、気になって、協力者も見繕ってしまったものですから」
パイライト:「そうでなければ、ぼくらは産まれなかった」
パイライト:「それでも、貴方はこれがよかったと?」
"虹紡ぐ円環":「どうでしょう。私は自分の内面も掴めなくって」
"虹紡ぐ円環":「ですので、ええ。私が答えを得る、その時まで」大きなノイズ1つ。肉体が切り替わる。
"虹紡ぐ円環":「私はあなたを離しません」
"虹紡ぐ円環":黒い影のような男と、動かぬ死体のような女が寄り添った姿へと変わる。
パイライト:「そう」
パイライト:ポケットに収められていた鍔を取り出す。
パイライト:「確かに幸せだったよ。それは否定しない」
パイライト:「色んな人達が、これのせいで痛い思いをする」
パイライト:「四年前の話をするたびに。みんな眼を伏せて、悲しい顔をする」
パイライト:鍔が光を受けて輝く。それは金属のものではなく、内側から突き破るよう現れた緑の輝き
パイライト:「もしかしたらぼく達は産まれない方がよかった。そう考えてたかもしれないよ」
"虹紡ぐ円環":「……あなたの答えは、あるのですね」
パイライト:「ぼく達RBはどこまで行っても人間にはなれない」
パイライト:「だからここにはいられない。いや」
パイライト:「現実であっても、同じ場所にはいられないかもしれない」
パイライト:ばきん。鍔が砕け、緑の破片が舞い散る
パイライト:「だとしても。ぼくはあの痛みと苦しみばかりの、あの場所で生きると決めた」
パイライト:左眼に光が宿る。少年の手には刀が握られ、身を包むのは戦装束
パイライト:「ぼくはそうであれと決めた。いつか泣き叫ぶ日が来るとしても」
パイライト:「──“ここにいる”と選んだ、あの場所に帰る」
パイライト:「だから、邪魔をするなら」
パイライト:「貴方を。斬る」
"虹紡ぐ円環":見上げるように、その姿を見つめる。体躯は少年を、軽々と超えるものなのに。
"虹紡ぐ円環":「すごいですね。あなたも、誰かも」
"虹紡ぐ円環":「やはり、見送るわけにはいきません」
"虹紡ぐ円環":「……もちろん、速水支部長も、天城康介くんも」
"虹紡ぐ円環":「私たちにとって、欠くことのできない方々なんです。ええ」
天城 康介:繋いだ手は、もう震えてはいない。その代わりに。
天城 康介:少年の左眼から漏れる光を。彼が発した言葉を。とても眩しいもののように、感じて。
天城 康介:「……そう言ってもらえるのは、悪い気はしないけど。やっぱり、駄目だ」
天城 康介:「……世界が変わって、20年。俺が生まれて、17年。……みんないなくなって、4年」
天城 康介:「たったそれだけ。それだけなんだよ。……まだ、それだけしか、経ってない」
天城 康介:「そりゃあ、答えは欲しい。お前はこうしろ、って言われるのは、とても、楽だ」
天城 康介:「……もう、答えを持ってる奴だって、沢山いるけど。俺はまだ、迷ってる」
天城 康介:繋いだ手を、そっと離す。誰とも触れていない手の輪郭が、僅かにぼやけて。
天城 康介:「……俺は、俺たちは、これから探していく。それが、妥協と、諦めと、ほんの少しの悦びで出来てたとしたって」
天城 康介:「最後に、これだ、って胸を張って言える何かを。……何度転んだって、諦めずに」
天城 康介:瞳は揺れる。迷いは残る。けれど。
天城 康介:「裏切者だらけの、世界で。大事な人といっしょに」
天城 康介:向ける視線は、真っ直ぐに。
速水 やどり:「……あなたに、まずは、ありがとうを。……とても、温かかった。とても、幸せだった。……良い、夢でした」
速水 やどり:「……でも。夢は夢だから。私が、立たなきゃいけない場所が、あるから」
速水 やどり:離れた手の先に、視線をやる。想う少年の姿を見る。
速水 やどり:「……一緒に、生きていく人が居るから。えぇ。もう、ここまでです。名残は惜しくとも、後悔はありません」
速水 やどり:「……改めて。あの街の、私たちの日常の楯として。あの街の同胞の長たちとして。あなたの思惑、阻ませてもらいます」
"虹紡ぐ円環":「……そう、ですか」
"虹紡ぐ円環":「いえ、あなたがそう言うことは、知っていましたが」
"虹紡ぐ円環":「ですので、ええ。抵抗させていただきます」
"虹紡ぐ円環":その身体の表面から、影法師が浮かび上がる。
"貫く邪眼"の影法師:仮想世界には、不要と剥がされたものたちが。
"盲目者"の影法師:ダブルクロス。
"魔術師"の影法師:それは、裏切者を意味する言葉。
GM:シーン終了。ロイス取得と購入をどうぞ。
日馬 美礼:えーと。ちょっと変則的なんだけどいいかな、「自身:日馬美礼:親近感/○隔意」でロイス。「同志:速水やどり:○信頼/嫉妬」でロイス。これで7枠。
速水 やどり:敵/"ルールー・リール"/感謝/〇憐憫 で取得。これで7枠目です。
天城 康介:パイライトくんに「■連帯感/劣等感」、日馬支部長に「■信頼/脅威」、これにて7枠!
日馬 美礼:で、購入は……誰か欲しいものある人?
パイライト:うーん調達関係は特に
天城 康介:自分も、特にないですね…(装備は使えなくなるので)
速水 やどり:購入しておいたブルーゲイル、買ったはいいけど渡すと支援が上手く飛ばなくなるんだよな……
パイライト:こちらロイスは円環へ 「同胞:感謝/〇斬る」
日馬 美礼:わかった。ならこうだ。
日馬 美礼:ラスト手配師起動。ブルーゲイル狙い調達。
日馬 美礼:7dx+4>=20
DoubleCross : (7R10+4[10]>=20) → 10[2,3,4,5,6,10,10]+10[2,10]+4[4]+4 → 28 → 成功
日馬 美礼:OK。ということでブルーゲイルはトータル3つ。パイライトくんにプレゼントしよう。
パイライト:ゲット
日馬 美礼:以上!
パイライト:こちらも以上
天城 康介:こちらも以上です!
速水 やどり:こっちも以上で!
GM:全員登場。登場侵蝕をどうぞ。
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:58->68)
パイライト:パイライトの侵蝕率を+2(1d10->2)(侵蝕率:72->74)
速水 やどり:73+1d10
DoubleCross : (73+1D10) → 73+8[8] → 81
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+2(1d10->2)した(侵蝕率:63->65)
GM:夢想の世界、"夢紡ぐ円環"からの脱出せんとするあなた達に、強烈な負荷が与えられます。
GM:難易度9の衝動判定をしてください。
パイライト:4dx10+1>=9
DoubleCross : (4R10+1[10]>=9) → 9[2,3,7,9]+1 → 10 → 成功
速水 やどり:8dx>=9 意志
DoubleCross : (8R10[10]>=9) → 9[1,2,2,3,5,6,7,9] → 9 → 成功
パイライト:2d10+74
DoubleCross : (2D10+74) → 15[7,8]+74 → 89
速水 やどり:81+2d10
DoubleCross : (81+2D10) → 81+17[10,7] → 98
日馬 美礼:3dx+1>=9
DoubleCross : (3R10+1[10]>=9) → 10[1,9,10]+4[4]+1 → 15 → 成功
日馬 美礼:よし。成功して
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+11(2d10->8,3)した(侵蝕率:65->76)
天城 康介:まず意志判定が
天城 康介:2dx+2+1>=9
DoubleCross : (2R10+2+1[10]>=9) → 10[7,10]+6[6]+3 → 19 → 成功
天城 康介:よし成功…なぜ回る。
天城 康介:2d10+68
DoubleCross : (2D10+68) → 11[6,5]+68 → 79
天城 康介:ぐ、惜しいところに…!
GM:それではエンゲージ状態。()内は行動値。
速水(8)パイライト(8)
日馬(6)天城(3)小子内渚(6)
5m
"魔術師"(14)"盲目者"(10)"貫く邪眼"(9)
"虹紡ぐ円環"(6)
天城 康介:はやぁい
パイライト:グムー
GM:セットアッププロセス。エネミーたちは特になし。
天城 康介:こちらも、なし!
日馬 美礼:ブルーゲイル服用。行動値11。
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+5した(侵蝕率:76->81)
パイライト:ブルーゲイルON、行動値13へ
速水 やどり:こっちも服用かなこれは。ブルーゲイル飲みます。行動値13へ。
速水(13)パイライト(13)
日馬(11)天城(3)小子内渚(6)
5m
"魔術師"(14)"盲目者"(10)"貫く邪眼"(9)
"虹紡ぐ円環"(6)
GM:それではイニシアチブプロセス。速水さんは動きますか?
速水 やどり:動きません。
"虹紡ぐ円環":Dロイス【触媒】
"虹紡ぐ円環":対象は"盲目者"の影法師。即座にメインプロセスを行わせます。
"盲目者"の影法師:マイナーで《ハンドレッドガンズ》投げ槍を作成。
"盲目者"の影法師:メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》《ギガンティックモード》《クリスタライズ》
"盲目者"の影法師:投げ槍を破壊して範囲選択への装甲無視攻撃。対象はPC4人。
"盲目者"の影法師:10dx7+4
DoubleCross : (10R10+4[7]) → 10[1,3,4,6,6,7,7,8,10,10]+10[4,5,5,7,8]+10[5,10]+1[1]+4 → 35
速水 やどり:一応ドッジ!
速水 やどり:3dx+1>=35
DoubleCross : (3R10+1[10]>=35) → 9[1,8,9]+1 → 10 → 失敗
パイライト:装甲無視ならドッジで
パイライト:5dx10+1>=35
DoubleCross : (5R10+1[10]>=35) → 10[2,2,6,8,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗
日馬 美礼:装甲無視だとどうしようもないな。ドッジ。
日馬 美礼:5dx
DoubleCross : (5R10[10]) → 9[4,4,4,8,9] → 9
天城 康介:一応ドッジを!
日馬 美礼:失敗。
天城 康介:5dx+1
DoubleCross : (5R10+1[10]) → 8[6,6,6,7,8]+1 → 9
天城 康介:失敗して、やどりちゃんへのダメージをカバーリング。《軍神の守り》を使用。
"盲目者"の影法師:11+4d10
DoubleCross : (11+4D10) → 11+23[9,8,4,2] → 34
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+2した(侵蝕率:79->81)
天城 康介:34の2倍で死!リザレクト!
パイライト:ぶち抜かれた! 《リザレクト》
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:81->91)
日馬 美礼:耐えられないねえ。リザレクトだ。
天城 康介:こんな時だけ出目がいい。
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:81->88)
パイライト:パイライトの侵蝕率を+8(1d10->8)(侵蝕率:94->102)
パイライト:ウワー一気に
"盲目者"の影法師:「……」目鼻も口もない虚ろな影の全身から、無数の棘が生えてくる。
"盲目者"の影法師:悶えるように震え上がると共に、膨大な量の槍があなた達に向けて射出される!
天城 康介:また、いつか。そう言葉を紡いだ口も、半分呆れたようにこちらを見る目も、どちらも閉じられていても。
天城 康介:「やが、み……!」
天城 康介:──影法師だと、分かっていても。その名を、呼びながら。棘に貫かれた身体を震わせ、立ち上がる。
天城 康介:その背後に、小さな体を、庇うように隠して。
パイライト:後方に目線。友達の位置と、その近くに立つ彼の姿を確かめて
パイライト:棘が突き刺さる。破壊される痛みが体を駆け巡り
パイライト:「──痛いけど」
パイライト:「これじゃ、止まれない」
パイライト:棘から、緑の輝きが生まれ。破砕されて
パイライト:少年は眼前の影を見据える
日馬 美礼:車椅子ごと棘に打ちぬかれて、停止。防護壁もまにあわない。
日馬 美礼:「相性が悪いね。これは」
速水 やどり:「……ありがとう、ございます……!」やはり、戦場は苦手だ。自分が傷つくのが怖い。それ以上に、彼が傷付けられるのが怖い。それでも。やらねば。
"盲目者"の影法師:何もない顔で、天城康介を見つめる。あるいはただの錯覚かもしれないが。
GM:イニシアチブプロセス。
GM:行動値順で"魔術師"の影法師のメインプロセス。
"魔術師"の影法師:メジャーで《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》《小さな塵》《マスヴィジョン》
"魔術師"の影法師:フォールンピストルの効果でリアクションのC値+1、フォールンスプライトの効果で判定+3D
"魔術師"の影法師:1d4
DoubleCross : (1D4) → 2
"魔術師"の影法師:対象は速水やどり。
"魔術師"の影法師:12dx7
DoubleCross : (12R10[7]) → 10[2,3,4,4,4,5,6,8,9,9,10,10]+10[4,4,5,6,10]+4[4] → 24
天城 康介:ドッジ失敗したらカバーする所存…!
速水 やどり:一応ドッジ。
速水 やどり:3dx+1>=24
DoubleCross : (3R10+1[10]>=24) → 10[6,8,10]+10[10]+7[7]+1 → 28 → 成功
速水 やどり:うそでしょ
"魔術師"の影法師:ほっほっほ
日馬 美礼:ピストルあるから当たりだねー
"魔術師"の影法師:C値+1
速水 やどり:あっピストル
天城 康介:Oh……
速水 やどり:ごめんなさいね 当たります
パイライト:惜しい
"魔術師"の影法師:これがつよい
天城 康介:では、《軍神の守り》でカバーリングに入ります!
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+2した(侵蝕率:91->93)
"魔術師"の影法師:42+3d10 庇って死ね!
DoubleCross : (42+3D10) → 42+13[8,2,3] → 55
天城 康介:庇って死ぬ!リザレクト!
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:93->94)
天城 康介:わぁい。
パイライト:壁の鏡
天城 康介:あと1回死ねるドン!
"魔術師"の影法師:ずるり この何もない空間の、真っ白い空中から突然浮かび上がる黒い影たち。
"魔術師"の影法師:その手元から無数の銃弾が飛び、速水やどりに襲い掛かる。
天城 康介:ぎちり、と。刺さったままの棘に覆われた体が、半ば倒れ込むように、割り込んで。
天城 康介:「っ、ぐ、ぁ……!」
天城 康介:次々と銃弾を叩き込まれ、意に依らず体が跳ねる。棘ごと肉体が砕け、再生し、また砕け。
天城 康介:「……大丈夫、だから」
天城 康介:血塗れになっても、それだけを口にして、立っている。
速水 やどり:「……ごめんなさい……ありがとう……!」こう言う事しかできないが。……来る。反撃の機会は、もうすぐだ。
"魔術師"の影法師:その姿を見ても、何も語らず思わず。ただ空中に漂い続ける。
GM:イニシアチブプロセス。行動値13のお2人のどちらかから。
速水 やどり:では、お先に。
パイライト:やどりちゃんお願いね
速水 やどり:マイナーアクションはなしで、メジャー。
速水 やどり:《アドヴァイス》Lv8+《弱点看破》Lv6+《戦場の魔術師》Lv3。
速水 やどり:対象3体、他PCの皆さん。次のメジャーアクションのダイス+8個、C値-1。ラウンド中攻撃力+18。
GM:すげーっ
速水 やどり:侵蝕+10して113。
天城 康介:ヒュゥッ!
パイライト:ありがとう
日馬 美礼:ありがたいね。
速水 やどり:「……今です。皆さん、お願いします!!」戦場に声が響き渡る。耳にするだけで意識が研ぎ澄まされるような、そんな声が。
パイライト:「──了解、支部長」
パイライト:では同値にて行動を
GM:どうぞ!
パイライト:マイナーで《インフィニティウェポン》、メジャーで《Cウロボロス》《シャドーテンタクルス》《咎人の剣》。オートで《砂の加護》発動
パイライト:パイライトの侵蝕率+3(侵蝕率:102->105)
パイライト:対象は…貫く邪眼
GM:判定を、どうぞ
パイライト:19dx6+4
DoubleCross : (19R10+4[6]) → 10[1,1,1,1,3,3,4,6,6,7,7,9,9,10,10,10,10,10,10]+10[2,4,4,6,6,7,8,8,9,9,10,10]+10[3,6,6,7,8,8,8,10,10]+10[1,4,4,6,7,7,8,9]+10[1,2,4,8,10]+5[2,5]+4 → 59
"貫く邪眼"の影法師:ドッジ。《砂の加護》を使用。
"貫く邪眼"の影法師:12dx
DoubleCross : (12R10[10]) → 10[1,1,2,4,5,6,6,6,8,8,9,10]+3[3] → 13
"虹紡ぐ円環":《妖精の手》→《妖精の輪》《妖精の手》
"貫く邪眼"の影法師:1dx+20
DoubleCross : (1R10+20[10]) → 4[4]+20 → 24
"貫く邪眼"の影法師:1dx+30
DoubleCross : (1R10+30[10]) → 8[8]+30 → 38
"貫く邪眼"の影法師:……命中。ダメージをどうぞ。
パイライト:バフがなかったら危なかった…
パイライト:ダメージ直前で《原初の黒:フェイタルヒット》
パイライト:パイライトの侵蝕率+6(侵蝕率:105->111)
パイライト:55+6d10+3d10
DoubleCross : (55+6D10+3D10) → 55+35[5,5,1,6,10,8]+23[4,9,10] → 113
パイライト:113装甲有効
"貫く邪眼"の影法師:……倒れます。演出をどうぞ。
パイライト:パイライトの侵蝕率+11(侵蝕率:111->122)
パイライト:友の声に従って、駆け出す。目標はひとつ。彼らが同じものであるとするなら──
パイライト:「──やるよ」
"貫く邪眼"の影法師:「……」輝き放たぬ弓に、刃を拵えて待ち構える。
パイライト:鯉口を切る。普段作られる無骨な水晶の刀は、いまこの時だけ。鞘と鍔の拵えられた一振りの形を取って
パイライト:真白の空。影のない世界故に、確かめられるのは己自身
パイライト:踏み込む。手がかかる。刃が鞘走る。
パイライト:応対で放たれた矢が髪の一房を切り取って
パイライト:一閃。それで終わりだ
パイライト:「さよならは言った。別れたから」
パイライト:「これで、おしまい」
パイライト:納められた鞘と触れた鍔が微かに鳴る
"貫く邪眼"の影法師:「──」
"貫く邪眼"の影法師:あなたの輝きに飲み込まれるように、影は掻き消えた。
"虹紡ぐ円環":「……」その様子に手を伸ばしていたが、力なく降ろす。
GM:イニシアチブプロセス。日馬さんのメインプロセス。
日馬 美礼:はい。じゃ、行くよ。
日馬 美礼:マイナーで戦闘移動、敵エンゲージへ侵入。メジャーで攻撃、狙うのは盲目者の影。
日馬 美礼:カッコつきの日常へのロイスをタイタス化。昇華。C値さらに-1。
日馬 美礼:17dx5+4 コンセントレイト巨匠の記憶
DoubleCross : (17R10+4[5]) → 10[1,2,2,2,3,3,3,5,5,6,7,7,7,9,9,9,10]+10[2,3,4,5,6,7,8,8,9,9]+10[1,2,2,3,3,4,9]+10[6]+10[9]+10[9]+10[8]+1[1]+4 → 75
日馬 美礼:よし。達成値75。
"盲目者"の影法師:ドッジ
"盲目者"の影法師:5dx+2
DoubleCross : (5R10+2[10]) → 10[1,4,6,9,10]+3[3]+2 → 15
"虹紡ぐ円環":《妖精の手》→《妖精の輪》《妖精の手》
"盲目者"の影法師:22+1dx
"盲目者"の影法師:1dx+22
DoubleCross : (1R10+22[10]) → 2[2]+22 → 24
"盲目者"の影法師:1dx+30
DoubleCross : (1R10+30[10]) → 9[9]+30 → 39
"盲目者"の影法師:命中。ダメージをどうぞ。
日馬 美礼:8d10+32 装甲有効
DoubleCross : (8D10+32) → 42[1,2,7,8,8,6,3,7]+32 → 74
日馬 美礼:装甲有効の74点。
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+4した(侵蝕率:88->92)
"盲目者"の影法師:……戦闘不能。
"盲目者"の影法師:《魂の錬成》によって復活。演出をどうぞ。
日馬 美礼:復活も持ってたか。
日馬 美礼:「悪いね。因縁の相手とやらせてあげたいところなんだけど」
日馬 美礼:車椅子から、鉄の肢が生える。なめらかに全身し、鎌のようなメカニカルアームを叩きつける。
日馬 美礼:「生憎と、思い入れが薄くてね。余裕もない」
日馬 美礼:破砕したはずの影が、再度形をとりはじめるのを確認。
日馬 美礼:「……最初の報告と同じか。厄介だなあ」
日馬 美礼:以上。
"盲目者"の影法師:ギシャリ 金属と金属がぶつかりあう音。潰れてひしゃげて、また立ち上がる。
GM:イニシアチブプロセス。順当に行けば盲目者の影法師のメインプロセス。
速水 やどり:Dロイス、「触媒」の使用を宣言。対象は天城君。ただちにメインプロセスを行わせます。
天城 康介:承ります。では、こちらの行動。
天城 康介:マイナー、《完全獣化/一角鬼》。移動はせず、素手のデータを変更。射程5mに。
天城 康介:侵蝕は103に!
天城 康介:メジャー、《C:キュマイラ/獣の力》、盲目者の影を攻撃。
GM:判定どうぞ!
天城 康介:判定前に、日常へのロイスを「幸福感/■無関心」に書き換えてタイタス化、昇華。クリティカル低下で適用。
天城 康介:判定へ!
天城 康介:19dx5+4
DoubleCross : (19R10+4[5]) → 10[1,2,2,2,2,3,3,4,4,4,6,6,8,8,8,9,10,10,10]+10[1,3,6,6,6,8,8,9,10]+10[5,6,6,6,6,8,9]+10[7,8,8,8,9,9,10]+10[1,4,4,4,7,8,10]+10[3,6,9]+10[7,10]+10[10,10]+4[1,4]+4 → 88
天城 康介:達成値88で!
"盲目者"の影法師:ドッジ
"盲目者"の影法師:5dx+2
DoubleCross : (5R10+2[10]) → 9[4,4,5,8,9]+2 → 11
"虹紡ぐ円環":《妖精の手》→《妖精の輪》《妖精の手》
"盲目者"の影法師:1dx+12
DoubleCross : (1R10+12[10]) → 10[10]+1[1]+12 → 23
"盲目者"の影法師:1dx+22
DoubleCross : (1R10+22[10]) → 2[2]+22 → 24
"盲目者"の影法師:妖精さん……
GM:ダメージをどうぞ。
天城 康介:9d10+10+18
DoubleCross : (9D10+10+18) → 45[6,6,6,10,1,8,5,2,1]+10+18 → 73
天城 康介:装甲有効、73点です。
"盲目者"の影法師:……戦闘不能。演出をどうぞ。
天城 康介:輪郭にノイズが奔る。己を「こう」と定義し、その通りに姿が変わってゆく。その入り口は、いつも、自分を否定することで。
天城 康介:けれど。全身に刺さった棘をも取り込んで、像を結んだ、その姿は。
天城 康介:「──大丈夫だ。俺は」
天城 康介:「ここに、いる」
天城 康介:歪むことなく、はっきりと。
天城 康介:「なあ、そうだろう。……俺の」
"盲目者"の影法師:「……」ずっとにらみ続けていたあなたへ、再び槍を構えて。
天城 康介:友達になれたかもしれなかった、誰か。その影法師に、装甲に覆われた掌を向けて。
天城 康介:「──────」
天城 康介:彼を、どう呼んだのかは。二人が同時に─彼は、その手に持つそれを。自分は、身に取り込んだ棘を束ね、掌から撃ち出すそれを─
天城 康介:─放った槍が空間を、肉体を穿つ音で、上書きされる。
天城 康介:着弾は、同時。影と鎧が砕け散って、それでもまだ、立っているのは。
天城 康介:「……じゃあな。また、どこかで」
"盲目者"の影法師:崩れていく、ここからいなくなっていく現象に、一切の音は伴わず。
天城 康介:自分、だけだ。
"虹紡ぐ円環":ひとだけが残る様子を、ただ見ている。
GM:イニシアチブプロセス。小子内渚のメインプロセス。
小子内渚:メジャーで《癒しの水》《タブレット》《多重生成》
小子内渚:HPを回復。対象は生き残っているエネミー。
小子内渚:6d10+4
DoubleCross : (6D10+4) → 33[8,8,3,5,6,3]+4 → 37
"虹紡ぐ円環":《テイクオーバー》小子内渚の侵蝕率上昇を肩代わりします。
小子内渚:何も見えていない、呆けた顔のまま手を広げる。
小子内渚:影法師たちへと慈雨が降り注ぐ。見えていない以上、そこに何の意義もありはしないが。
GM:イニシアチブプロセス。"虹紡ぐ円環"のメインプロセス。
"虹紡ぐ円環":マイナーで《アバターフォーム》シーン中、RCの達成値+10。
"虹紡ぐ円環":メジャーでコンボ【虹を編む】《雨粒の矢》《塞がれた世界》《ありえざる存在:砂の刃》
"虹紡ぐ円環":ガード値ー5のシーン選択RC攻撃。対象はPC全員。
"虹紡ぐ円環":7dx+10
DoubleCross : (7R10+10[10]) → 9[3,4,4,4,5,6,9]+10 → 19
"虹紡ぐ円環":《妖精の手》これにて打ち止め。
"虹紡ぐ円環":1dx+20
DoubleCross : (1R10+20[10]) → 10[10]+2[2]+20 → 32
天城 康介:伸びたなぁ!
GM:リアクションをどうぞ。
日馬 美礼:それでもガードだね。
パイライト:さっきまで半端だったというのに。ドッジ
天城 康介:あ、そしてすみません、メジャー分の侵蝕上げ忘れ…!
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+4した(侵蝕率:103->107)
天城 康介:そしてドッジ!
天城 康介:11dx+1
DoubleCross : (11R10+1[10]) → 8[1,1,4,4,5,6,6,7,7,7,8]+1 → 9
天城 康介:失敗!
パイライト:6dx+1>=32
DoubleCross : (6R10+1[10]>=32) → 9[3,5,6,6,7,9]+1 → 10 → 失敗
速水 やどり:ドッジ。
パイライト:グムー
速水 やどり:4dx+1>=32
DoubleCross : (4R10+1[10]>=32) → 10[4,6,9,10]+10[10]+7[7]+1 → 28 → 失敗
GM:?
速水 やどり:なんでさっきから頑張ってよけようとしてくれるんだやどりちゃん。
パイライト:さっきからやどりちゃんが冴えてる
天城 康介:これがノイマンパワー。
GM:かしこい
天城 康介:ダメージ適用前に、《軍神の守り》でパイライトくんをカバーリング!
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+2した(侵蝕率:107->109)
天城 康介:もとい算出前。割り込みは以上で!
"虹紡ぐ円環":24+4d10
DoubleCross : (24+4D10) → 24+19[7,4,1,7] → 43
"虹紡ぐ円環":ガード値ー5.
日馬 美礼:耐えられないな。リザレクト!
日馬 美礼:日馬 美礼の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:92->96)
速水 やどり:耐えられない!"ルールー・リール"のロイスをタイタス化、昇華して復活!
天城 康介:死!…パイライトくんのロイスを、「■信頼/劣等感」に書き換えてタイタス化、昇華して復活!
"虹紡ぐ円環":何もない空に手をかざす。太陽なき虚空に鮮やかな虹がかかる。
"虹紡ぐ円環":「私はまだ、諦めておりませんので」
"虹紡ぐ円環":かりそめの光がほどけ無数の糸となり、あなた達に降り注ぐ。
"虹紡ぐ円環":立ち上がる力を抜き去る、美しい繰り糸が。
速水 やどり:「……私たちだって、諦めませんとも」膝から抜けていく力。脱力感に抗って、前を向く。
天城 康介:活力、としか言い様のない何かが、蒸発してゆく。それを感じながら。
日馬 美礼:結晶質の防御シェルを展開。日馬美礼という人間は糸に撃ち抜かれて満足に動けなくなるが、そんなことは問題ではない。
天城 康介:七色の光を遮るように、少年の前に立つ。肉体が変化したことで、幾分か高くなった背丈。それで、光を遮るように。
パイライト:「……ありがとう、天城お兄さん」
日馬 美礼:「そぉかい。なら聞くけどさ、"ルールー・リール"」多脚思考戦車としての実体をあらわにしたヤゴコロは、問題なく稼働する。
天城 康介:「……俺も、お前も。戻って、やりたいことがあるんだから。礼は、要らないよ。ただ──」
日馬 美礼:「きみはその願いの果てに、何を望んでいる?」
天城 康介:「……なんだか、お前は、ふっと消えちまいそうだから。……そうしたら、うん」
天城 康介:「やどりが、お前の周りのみんなが、悲しむ。……それは、嫌だ」
天城 康介:甲冑めいた装甲の下、不器用に浮かべた笑顔は、見えないが。
"虹紡ぐ円環":「……私の望み、ですか」
"虹紡ぐ円環":ふ、と。初めて本当の感情を見せたように笑みがこぼれる。
"虹紡ぐ円環":「思い出せませんよ。今更ね」自嘲の笑み、だ。残されているのはそれだけだ。
日馬 美礼:「残念だよ」
GM:イニシアチブプロセス。天城康介のメインプロセス。
天城 康介:はぁい!マイナーなし、メジャーで魔術師の影を攻撃。
天城 康介:組み合わせは先ほどと同じ、《C:キュマイラ/獣の力》で。今回はこのまま判定へ!
GM:かもーん
天城 康介:11dx7+4
DoubleCross : (11R10+4[7]) → 10[3,3,3,4,5,5,6,9,9,10,10]+10[2,5,9,10]+10[5,7]+10[10]+10[7]+10[8]+5[5]+4 → 69
天城 康介:伸びた伸びた。
"魔術師"の影法師:ひーん
"魔術師"の影法師:ドッジ
"魔術師"の影法師:4dx+1>=69
DoubleCross : (4R10+1[10]>=69) → 8[3,5,7,8]+1 → 9 → 失敗
GM:ダメージをどうぞ。
天城 康介:7d10+10+18
DoubleCross : (7D10+10+18) → 29[5,1,1,4,6,4,8]+10+18 → 57
天城 康介:装甲有効、57点。
"魔術師"の影法師:しんじゃう……
小子内渚:《奇跡の雫》"魔術師"の影法師を復活させます。
天城 康介:ぬぅーッ!
小子内渚:患者なので……
GM:演出どうぞ
天城 康介:体内に残る棘、その最後のひとつ。それを、右手の甲から生やし、変異した肉体を纏わせ、馬上槍のように成型。
天城 康介:振りかぶる。狙いは、幽霊のように漂う……少なくとも、この世界では……見知らぬ、誰か。
天城 康介:「…………」
パイライト:「──天城お兄さん」
パイライト:その背に。声がかけられる
天城 康介:「……何だよ」
天城 康介:何かを、見透かされた気がして。視線は前に向けたまま、くぐもった声で応える。
パイライト:「約束する。ぼくは友達を。出逢った人達を、悲しませないようにする」
パイライト:「だからお兄さん」
パイライト:「やどりちゃんを、お願い」
パイライト:「ぼくの大事な友達だから」
天城 康介:「……ああ、任せとけ。……そうだ、俺は決めたんだ」
天城 康介:弓に矢をつがえるように、腕を引く。槍の穂先を、一点に再び定めて。
天城 康介:「絶対に、幸せにする。幸せになる。……だから」
天城 康介:「──邪魔を、するな……!」
天城 康介:不確かな体。物理的な手応えはなくとも、確信はある。
天城 康介:伸ばしたこの手で、命をひとつ、削り取ったという確信が。
"魔術師"の影法師:この虚空の世界で、無数に散らばる夢幻。その核は確かに貫かれて。
小子内渚:「……いけない」
"魔術師"の影法師:正確に放たれた、癒しの力。致命の一撃を塗替えす。
GM:クリンナッププロセス。なにもなし。
GM:第2ラウンド。セットアッププロセス。
速水 やどり:なし!
パイライト:なし!
日馬 美礼:なし。行動値6に、と。
天城 康介:念のためやっておきましょう。《フルパワーアタック》。
天城 康介:天城 康介の侵蝕率を+4した(侵蝕率:109->113)
GM:イニシアチブプロセス。"魔術師"の影法師のメインプロセス。
"魔術師"の影法師:メジャーで《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》《小さな塵》《マスヴィジョン》
"魔術師"の影法師:フォールンピストルの効果でリアクションのC値+1。
"魔術師"の影法師:1d4
DoubleCross : (1D4) → 3
"魔術師"の影法師:対象はパイライトくん。
"魔術師"の影法師:9dx7
DoubleCross : (9R10[7]) → 10[1,3,4,4,5,6,7,8,10]+10[2,5,8]+1[1] → 21
パイライト:C+1なんだよね。ガードで
"魔術師"の影法師:42+3d10
DoubleCross : (42+3D10) → 42+16[1,5,10] → 58
パイライト:お姉さん痛いなぁ。吹っ飛んで、ロイスの日常を「幸福感/〇ここじゃない」に変えてタイタス化。蘇生します
"魔術師"の影法師:虹の傍に浮かび上がった、無数の魔法陣。光放たぬままに存在感を膨れ上がらせて。
"魔術師"の影法師:無数の中心より放たれた光弾が、少年を撃ち貫く。
パイライト:庇われていた背から飛び出し。急所を隠すよう、刀を前に
パイライト:結果で言えば無為な行為。光によって刃は砕けて。少年の四肢を焼き貫く
パイライト:焦げた皮膚の下。戦闘のウイルス活性によって構築された、結晶構造が覗く
パイライト:「……約束の直後に、終わるわけにはいかないかな」
パイライト:少年は目をそらさない
GM:イニシアチブプロセス。行動値8のお2人のどちらかから。
速水 やどり:とりあえず、先に動いて撒くものは撒きましょう。
速水 やどり:《アドヴァイス》Lv8+《弱点看破》Lv6+《戦場の魔術師》Lv3。
速水 やどり:対象3体、他PCの皆さん。次のメジャーアクションのダイス+8個、C値-1。ラウンド中攻撃力+18。
速水 やどり:侵蝕+10して123。
速水 やどり:「……数は落とせています。大丈夫、頑張って……!」また、戦場に声が響く。
GM:イニシアチブプロセス。パイライトくんのメインプロセス。
パイライト:了解
パイライト:マイナーなし、メジャーにて《Cウロボロス》《シャドーテンタクルス》《咎人の剣》、オート《砂の加護》
パイライト:対象は虹紡ぐ円環!
パイライト:19dx6+4
DoubleCross : (19R10+4[6]) → 10[1,1,3,3,3,4,6,6,6,6,6,6,7,7,7,8,9,9,10]+10[1,1,1,2,6,6,6,6,7,9,9,9,10]+10[1,1,2,2,2,4,6,8,10]+10[2,4,10]+10[9]+10[9]+4[4]+4 → 68
GM:どうぞ!
GM:ヒエーッ
"虹紡ぐ円環":《領域の盾》
"魔術師"の影法師:カバーリングします。
GM:ダメージをどうぞ!
パイライト:ではそのまま
パイライト:55+7d10
DoubleCross : (55+7D10) → 55+39[6,7,6,8,3,4,5] → 94
パイライト:94点、装甲有効
"魔術師"の影法師:…戦闘不能。
GM:演出をどうぞ。
パイライト:砕けた刀の柄を握り締め、駆ける。
パイライト:ぎしり。焼けた体躯の痛みが、足を止めろと叫んでいる
パイライト:「黙っててよ」
パイライト:服の袖、衣服の影より生成した触手が体を締め付け。無理矢理に体躯を駆動させる
パイライト:──折れた刀を投げつける。狙いは正しい、だが速度は到底足りない
パイライト:敵の迎撃。光の線がそれを穿ち、遂に原形を留めずそれは破壊され
パイライト:「──」
パイライト:柄と、鍔が。光線を受けて。“影が生える”。
パイライト:終わりだ。一瞬だけ作られた影が伸び、解け、無数の刃となって同じ色の影法師を貫く
"魔術師"の影法師:影と影が交わって、弱き一方は崩れ去る。
パイライト:パイライトの侵蝕率+11(侵蝕率:122->133)
小子内渚:「あ……」漏れた一声に混じっているのは諦観。小さな喉と慣れ親しんだ音色。
GM:イニシアチブプロセス。日馬美礼のメインプロセス。
日馬 美礼:「これは、夢だ」
日馬 美礼:マイナーなし。……霧谷さんへのロイスをタイタス化して昇華。いろいろとね、この場は、違う。
日馬 美礼:C値-1。メジャーコンセントレイト巨匠の記憶。ルールー・リールに攻撃。
日馬 美礼:17dx5+4
DoubleCross : (17R10+4[5]) → 10[1,2,2,3,3,4,4,4,5,6,6,7,7,7,8,9,10]+10[1,3,3,3,5,6,6,9,10]+10[1,7,7,10,10]+10[1,4,6,6]+4[2,4]+4 → 48
日馬 美礼:いまいち走らなかったな。達成値48。
"虹紡ぐ円環":ドッジ
"虹紡ぐ円環":6dx+1>=48
DoubleCross : (6R10+1[10]>=48) → 10[1,2,2,2,3,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗
GM:ダメージをどうぞ。
日馬 美礼:5d10+31 ダメージ、装甲有効
DoubleCross : (5D10+31) → 23[10,7,1,2,3]+31 → 54
日馬 美礼:54点。
GM:ごっ
GM:ごじゅうよん
天城 康介:つよい……
"虹紡ぐ円環":HP、54
"虹紡ぐ円環":戦闘不能、よって
GM:戦闘終了です。演出をどうぞ。
日馬 美礼:……よし。
日馬 美礼:鎌型のメカニカルアームを後方に振りあげて。振り子のように叩きつける。
日馬 美礼:その切っ先は槍に似て、ルールー・リールの、マネキンのような表層を撃ち貫いた。
日馬 美礼:「夜見る夢は終わるもので、思い描く夢は叶えるもので」
日馬 美礼:「語る夢は、誰かと共有したいと願うものだよね。いやはや、言葉というのは難しい」
日馬 美礼:「さよならだ。ルールー・リール。彼女に代わって、お礼を言うよ」
日馬 美礼:「あまりおもしろいものじゃなかったが、初めての経験は、きっと新鮮だったろうから」
"虹紡ぐ円環":「ぐ、ぁ」貫かれたまま手を伸ばして、藻掻いて、そして諦める。
"虹紡ぐ円環":「……意味は」ぽつりと、視線をあなたではない誰かに向けたまま。
日馬 美礼:「ある」誰に向けられたわけでもない言葉に。即座に応じる。
日馬 美礼:「すべてのものに意味は生まれる。そこに意味があるだろうと信じる限りね」
日馬 美礼:「なにかを間違っていたとするなら、きっと、そこだろう」
"虹紡ぐ円環":「……今更、あなたの言葉を鵜呑みにして」影が崩れていく。
"虹紡ぐ円環":「それが答えだなど、言うわけにはいきませんが」世界がほどけていく。
"虹紡ぐ円環":「ありがとう、それから迷惑をお掛けしました」
"虹紡ぐ円環":「願わくはあなた方の道行に──」
GM:最後までことば、紡ぎ終えることなく。
GM:"虹紡ぐ円環"は消滅した。
バックトラック
GM:Eロイスは【ありえざる存在】【愚者の契約】の2点。
小子内渚:また、Dロイス【記憶探索者】の効果で誰か1人のタイタスをロイスに復元することができます。
日馬 美礼:パイくんかな……ぼくは十分だから。
天城 康介:そうですね。こちらも、Eロイス分含めて余裕あります。
速水 やどり:こっちも余裕があります
パイライト:では頂きます
パイライト:日常のタイタスをロイスに
天城 康介:では、まずEロイス分低下から。
天城 康介:113-2d10
DoubleCross : (113-2D10) → 113-11[2,9] → 102
パイライト:こちらもEロイス分
速水 やどり:Eロイス低下分、いただきます。
パイライト:133-2d10
DoubleCross : (133-2D10) → 133-10[7,3] → 123
速水 やどり:123-2d10
DoubleCross : (123-2D10) → 123-17[9,8] → 106
日馬 美礼:Eロイス使用なし、で。
パイライト:ロイス6、一倍で
天城 康介:そしてロイス4つ(うち1つはSロイス)で素振り!
日馬 美礼:で、現在100から、ロイス4本。
日馬 美礼:100-4d10
DoubleCross : (100-4D10) → 100-17[1,5,8,3] → 83
天城 康介:102-4d10
DoubleCross : (102-4D10) → 102-16[2,8,2,4] → 86
日馬 美礼:OK.
パイライト:123-6d10
DoubleCross : (123-6D10) → 123-29[4,9,1,5,1,9] → 94
天城 康介:帰還!
速水 やどり:106からロイス5本、等倍で。
速水 やどり:106-5d10
DoubleCross : (106-5D10) → 106-32[9,5,10,7,1] → 74
パイライト:94で帰還
速水 やどり:74で帰還。
GM:経験点計算。いつもの5点、全員生きたままのシナリオ目的達成で10点、最後まで参加して1点。
GM:Dロイスが触媒、記憶探索者、秘密兵器、遺産継承者で4点。
GM:あとEロイスで2点だ。
GM:合計22に侵食分を足してください。
日馬 美礼:イエス。27点。
天城 康介:22点に侵蝕で5点、Sロイスの保持で5点、32点!
速水 やどり:侵蝕5点にSロイス保持足して、32点。
パイライト:27点拝領します
GM:私は合計して3で割って……40点!
GM:みなさんお納めください!
速水 やどり:いただきます!
日馬 美礼:いただきます!
天城 康介:いただぎまぁず
パイライト:いただきます
GM:君たち5人は、無事に生還した。
GM:すぐにメディカルチェックを受けて、問題なくパス。
GM:ジャームと深く接触した小子内渚も、そう遠くないうちに職場へ復帰するだろう。
GM:──つまりはそう、これから君たちは。
GM:──"いつも通り"に戻っていくのだろう。
***:
***:────
***:第四支部。支部長室。
***:執務机と貨物用エレベータの出入り口、それと窓際の小さな飾り棚以外は目立つところのない小さな部屋だ。
***:日馬美礼という人間を知るものは意外に思い、よく知るものの一部は納得するだろう。
***:ミニマリストというわけではない。ものが少ないのは単純に不要で、車椅子が動き回り難いからだ。それ以上の意味は特にない。
日馬 美礼:電動車いすに身を預けて、天井を見ている。人前ではなかなか見せないほどの無表情で。
日馬 美礼:日馬美礼というオーヴァードの能力は、思考戦車ヤゴコロ、その大規模記録・演算システムとのリンクにのみある。
日馬 美礼:つまるところ、デスクワークのたぐいをするぶんには、ほぼ一切手を動かす必要はない。
日馬 美礼:四肢の感覚が鈍い以上、むしろ手作業を介そうとするほうが、無駄な労力とミスが増えるだけだ。だから使わない。
日馬 美礼:ベルが鳴る。一度目を瞑る。少し休憩が必要だ。
日馬 美礼:デスクのケースから、大粒のラムネ菓子を取り出して口に含む。強い甘みとビタミンCの酸味が舌を刺激する。
日馬 美礼:美味しい、ということだ。
日馬 美礼:「きみは、美味しいという感覚すらもわからなかったわけだけど」
日馬 美礼:チューブで繋がれて、栄養と排泄を行う。生命維持にすら機械の助けが必要だ。
日馬 美礼:味わう余裕などなかった。そもそも主体的な思考や感覚すら、存在していたのかは怪しい。
日馬 美礼:"N面一臂(ダンタリアン)"という人格は、ヤゴコロの演算装置とのリンクによって完成する。
日馬 美礼:「楽しかったはずだよね。それはよかったと思う」
日馬 美礼:脳の器質的な障害により、人格が大きく変わることがあるという。それは、ほんの僅かな傷で。
日馬 美礼:温厚な人間が短気になり、豪胆な人間が臆病になり、友愛に満ち溢れた人間が攻撃性の塊となる。
日馬 美礼:──わずかな脳の傷でさえ、そうなのだ。
日馬 美礼:果たして、思考と記憶に割くリソースの大半を失った人間は、見かけ上連続した人格を維持できるだろうか。
日馬 美礼:"日馬美礼(親近感/○隔意)"のロイスをタイタス化します。
日馬 美礼:車椅子のシートに身を預ける。天井を見上げる。
日馬 美礼:口の中のブドウ糖とクエン酸の塊は、とっくに溶けてなくなっている。
日馬 美礼:「こういうときに限って、白蘭は外してるんだよね。まあ、居合わせたらまたお説教だったろうけど」
日馬 美礼:運が良かったのか悪かったのか。
日馬 美礼:話の種ができたことは間違いない。それからたぶん、ひどく懐かしい顔に会うことができたことも。
日馬 美礼:目を瞑る。開く。少しだけ身体を起こして、飾り台に置かれた、ちっぽけな、子供の頭蓋骨標本に目をやる。
日馬 美礼:僅かに笑い、車椅子のシートに身を預ける。デスクにつく必要はないが、スタイルの問題だ。
日馬 美礼:仕事を再開する。
日馬 美礼:今日も、騒がしい一日になるだろう。明日も。当分の間は。
日馬 美礼:それは、ほんとうに喜ばしいことだ。
パイライト:──久しぶりに口の中へ入れたそれの味は。ひどく濃く感じられた
パイライト:コンビニで買ったホットスナック。肉の味はともかく、油と外の食感を優先して作られた一品
パイライト:空を見れば夕暮れ。目が覚めて、聞けば数日が経っていたらしい
パイライト:諸検査をパスして、支部の連絡についてはやどりちゃんに任せる形となって
パイライト:いま、自分はここにいる。
パイライト:薄暗い道を歩く。人気は少ない。最近は風邪が流行りがちだ
パイライト:「…………」
パイライト:悩むことはないだろう。あれは夢で。既に消え去ったもので
パイライト:“これ”はまだ、終わってなどいない
桑幡 嗣実:「ちょっと。君」
パイライト:足を止める。聞き慣れた声。振り返り──
桑幡 嗣実:「やっぱり。どこに寄り道してるのかと思ったら」
パイライト:「委員長さん」
桑幡 嗣実:星辰館の制服姿に、大きな三編み。愛想のない銀縁眼鏡。
桑幡 嗣実:「ええ。何、パイライトくん」
パイライト:「……」
パイライト:「いや。なんでもない」
パイライト:残った肉を口の中へ放り込み。包み紙を握りつぶして、砂に分解する
桑幡 嗣実:だいたい不機嫌そうな表情も口調も、いつものことだ。あなたはそれを知っている。
パイライト:「久しぶり。しばらく隔離されてたから、ちょっと懐かしいかもね」
桑幡 嗣実:「大げさね。二日くらいで。事件は大事だったって聞いてるけど」
桑幡 嗣実:「お疲れ様。それはそれとして」
パイライト:「まぁね。何せ支部長が二人も巻き込まれたわけだから」
桑幡 嗣実:「南さんが心配してたわ」
桑幡 嗣実:「道場から帰るときに頼まれたの。探して声をかけてきてくれって」
パイライト:「心配性だ」
桑幡 嗣実:「携帯。充電切れてない? それとも電源の入れ忘れ?」
パイライト:「……」
パイライト:手持ちの端末の電源は落ちたままだ。
パイライト:充電は満タン。ただ、
パイライト:「少し考え事が残ってて」
パイライト:「だから、入れてなかった」
桑幡 嗣実:「入れときなさい」びしりと。
パイライト:誤魔化してもよかっただろう。だけど、嘘はつけない
パイライト:「ごめんなさい」
パイライト:電源を入れれば、止められていたメッセージの山が一斉に雪崩れ込んでくる
パイライト:その山は。少年が出逢ってきたものの証明だ。
桑幡 嗣実:「それからもうひとつ」
パイライト:「うん」
桑幡 嗣実:「猫が寂しそうにしてたから、早めに顔出すように」
パイライト:「…………」
パイライト:表情は変わらず。だが、困ったように頭の後ろを掻く
パイライト:「わかってる」
桑幡 嗣実:「なら、よろしい」
パイライト:吐息。少しの沈黙を挟み、
パイライト:「夢を見てた」
桑幡 嗣実:「へえ」
桑幡 嗣実:気のない返事だ。続きを聞く意志だけはある、という程度の。
パイライト:「ぼくが、“普通”の人間だったらどうなってたか。そんな夢」
パイライト:「あり得ない話だからこその夢。だけど」
パイライト:「……」
桑幡 嗣実:「最後まで言う」
パイライト:「──うん」
パイライト:「少しだけ、幸せだったよ」
パイライト:「ぼくはここじゃなければ、産まれなかった。いまが大事じゃないわけでもない」
パイライト:「でも、やっぱり」
パイライト:「そうであった、ことは。きっと。嘘じゃなかった」
パイライト:……何を言いたいのか、まとまらない
パイライト:ただ、聞いて欲しかったのか
パイライト:目の前にいるこの人に。“そう”と、それを返して欲しかったのか
桑幡 嗣実:「何当たり前のこと言ってるの」
桑幡 嗣実:「今以外幸せじゃないなんて言うやつがいたら、それこそ大うそつきでしょう」
桑幡 嗣実:息を吐く。けわしげな目元もいつもどおり。
桑幡 嗣実:いつもどおりだ。
桑幡 嗣実:「おはよう。目は覚めてる?」
パイライト:「お陰様で」
パイライト:「そう言ってくれるから。委員長さんには頭が上がらない」
パイライト:多分、あの人もそうだ
パイライト:「──それじゃ、行かないとね」
桑幡 嗣実:嘆息。
桑幡 嗣実:「どっちに帰る気?」
パイライト:「委員長さんの行く方と同じじゃないかな」
パイライト:「ぼくだけ探して、自宅に帰るわけでもないでしょう」
桑幡 嗣実:「はいはい」
桑幡 嗣実:少しだけ、表情がやわらかくなる。
桑幡 嗣実:「確か色々切れてたから……買い物してる間に、社務所に連絡入れておくこと」
桑幡 嗣実:「いい?」
パイライト:「はぁい」
パイライト:気のない返事
パイライト:それが少しだけ、見た目相応の少年のようで
パイライト:歩き出す。帰り着くまでに、なんと言うかは決めておこう
パイライト:もっとも。どうせ使えないだろうが──
パイライト:「あ、そうだ」
パイライト:ひとつ確認したいことがあった
桑幡 嗣実:「何?」
パイライト:「委員長さん。犬派で猫が苦手って本当?」
桑幡 嗣実:「は?」
桑幡 嗣実:「動物はだいたい好きじゃないけど。誰から聞いたの?」
パイライト:「……」
パイライト:「ここかな」
パイライト:とん、と。己の頭を人差し指で突いて
パイライト:そう。
パイライト:そういうことだ。夢は、夢なのだから
桑幡 嗣実:パイライトくんの頭に拳を当てて、軽く押す。
桑幡 嗣実:「気が済んだなら、行く」
パイライト:「はぁい」
GM: N市 第9支部 支部長室にて
GM:だんだんと穏やかな空気が漂ってきた、ある日のこと。
GM:あなたは寝るべき場所でもないのに、すっかり微睡んでしまって。
GM:心配事も尽きないけれど、穏やかに。眠っているあなたに声を掛ける人がいる。
天城 康介:「──やどり、やどり」
天城 康介:少年らしい声の割には落ち着いた、ごくありふれた声。
速水 やどり:「んぅ……?」ねぼけた目を擦る。
速水 やどり:「……」目覚めて、数秒。状況を把握する。
天城 康介:「……起きないと。風邪、引くぞ」
速水 やどり:「……その、失礼しました。わざわざ呼び出しておいて、こんな……」ちょっと慌て気味にまくしたてて。
天城 康介:君の肩に手を置き、そう語り掛ける少年は、いつも通りの星辰館高校制服……ではなく。
天城 康介:ブレザーは、君の肩にそっとかけられている。
天城 康介:「いいよ。……普段、頑張ってるもんな。だから」
天城 康介:「ちょっとの間だけだけど。見てるだけにした」
速水 やどり:「……ありがとう、ございます。その、お見苦しいところを」きゅっとブレザーを引く。その顔はほんのりと赤い。
天城 康介:「……まあ、その。俺としても。うん」
天城 康介:「好きな子の寝顔を見れる機会なんて、滅多にないから。そこは、お互い様というか、俺の方が得をした、というか」
速水 やどり:「……」耳まで赤くなる。
速水 やどり:「本気で言ってるんだから、こうすけさんはずるいです……」小さく零す。
天城 康介:「そりゃあ、な。……本気で何かを向けられたなら、自分も、本気で返さなきゃ」
天城 康介:「……いつでも会える、いつでも言える、なんて。とても贅沢で、幸せなことなんだ、って」
天城 康介:「教えてもらった気がするよ。もう会えない奴に、あの街で」
速水 やどり:「……えぇ」……その教訓には、反してしまうけど。いますぐに、は、無理だけど。
速水 やどり:いずれ自分も、もう一度向き合う日がくるのだろう。……あの街みたいに、温かくはいかないだろうけど。
天城 康介:「……やどり」
速水 やどり:「はい」
天城 康介:「大丈夫だよ。贅沢で、幸せだけど。……間に合うなら、いつだって、なにひとつ。遠慮することなんてない」
天城 康介:支部長用に設えられた、小学生の女の子が座るにしては豪奢な椅子。その背もたれの、後ろ側から。
天城 康介:君の肩に、そっと手を添えて。
天城 康介:「それにさ。……俺たちは、ひとりじゃないんだから」
天城 康介:「やどりには、支部のみんながいる。UGNのみんながいる。……あざみさんがいて、俺がいる」
速水 やどり:「……はい」
速水 やどり:「皆さんのこと、とっても頼りにしてますとも」
天城 康介:「うん。……出来たら、その、これからは」
天城 康介:「UGNの仕事の都合とか、そうしなきゃいけない、ってこと以外なら」
天城 康介:「俺を、頼りにしてほしい。……そりゃあ、大人たちや、ここの副支部長さんとかに比べたら、頼りがいはないだろうけど」
天城 康介:君の肩に添えていた手に、力を込めて。君ごと、くるりと椅子を半回転させて。
天城 康介:窓から差し込む夕日を背後に。僅かに、君を見下ろすようにしながら。
天城 康介:「やどりを幸せにしたい、っていう気持ちは。誰より、本気だ」
速水 やどり:「……ふふ。もう。……とっくに、あなたが。一番頼れる人、ですよ」
天城 康介:その言葉に、恥ずかしそうに視線を揺らして。
天城 康介:「……そう、思ってくれてるなら、よかった。やっぱりさ、不安だから。……うん、駄目だな、俺。こういうところが、子供のままだ」
天城 康介:「……けど、頑張るよ、俺。きっと、応えて見せるから」
速水 やどり:「はい。楽しみにしています」
速水 やどり:「……それじゃあ、遠慮しなくていいという事で……これからお時間ありますか?」
天城 康介:「もちろん。……何だっていいよ。言ってくれ、やどり」
速水 やどり:「……一度寝顔を見られてしまっては、二度も三度も同じこと、ですので」
速水 やどり:「これから、仮眠を取ろうと思うんですけども。……目が覚めるまで、傍に居てくれませんか」
天城 康介:「ああ、分かった。お安い御用──」
天城 康介:そう、即答しかけて。
天城 康介:「……眠ってるやどりの。傍で。目が覚めるまで」
天城 康介:言われたことを、オウム返しのように。
速水 やどり:「……座っているのも大変でしょうし、一緒に横になっても大丈夫ですよ? 仮眠室のベッドなので、少々手狭ですが……」
天城 康介:「……だんだん、副支部長さんに似てきてないか、やどり」
速水 やどり:「雪ちゃんほどでは。……ですが、えぇ。せっかくですから、できることはしてみようかと」
速水 やどり:「……それに。あれから。一人で目が覚めると、少し寂しいんです……」寂しげな顔なぞしてみせる。
天城 康介:「…………」
天城 康介:そんな顔を見せてくれたから、というわけではなく。
天城 康介:「やどり」
天城 康介:肩から、君の背中へと手を滑らせて。そのまま、抱きしめる。
速水 やどり:「……!」ちょっと驚いてから、こちらも抱きしめ返すように手を回す。
天城 康介:少なくとも。君が「こうしたい」と自分に伝えることは、君の望むことなのだ、と。そう、自分は理解しているから。
天城 康介:そのままゆっくりと、軽い身体を─男子とはいえ、自分の体格では軽く、というわけにはいかないけれど─抱き上げて。
天城 康介:「こっち、だよな」
天城 康介:入り口とは別にある扉を見て、そうっと足を進める。
速水 やどり:「……はい」身を委ねて。
天城 康介:君を抱いたまま、少しだけ苦労してノブを回して。背中で押すように、扉を開いて。
天城 康介:─薄暗い部屋。決して大きいとは言えない寝台の上。
天城 康介:愛しい幼子にそうするように。けれど、決して幼子扱いはすまいと、君の目を見つめたまま。君を、横たえる。
速水 やどり:「ん」来てください、と。寝台をかるく叩き。
天城 康介:うん、と頷いて。
天城 康介:「……やっぱり、ちょっと狭い、かな」
天城 康介:君の隣、少し遠慮がちに横たわって。
速水 やどり:「です、ね」半ば、あなたの胸に顔を埋めながら。
速水 やどり:「……それじゃあ、こうすけさん。おやすみなさい……」目を伏せる。
天城 康介:黒く、長い髪に、指を差し入れるように。君の頭を、そっと抱き寄せる。
天城 康介:「……うん。おやすみ、やどり。どうか」
天城 康介:いい夢を、と。……高まる鼓動が、君の眠りの邪魔をしないかと。
天城 康介:そんな心配を、しながら。自分も、そっと目を閉じて。
天城 康介:----------
天城 康介:何時間、といったものではないだろう。仮眠と言ったとおり、決して長い時間ではなく。
***:意識が沈んで……時間の感覚もあいまいになったころだ。
???:とんとん、と背中を軽く触れる感触がある。
天城 康介:「ん、ぅ……?」
???:「康介くん」
天城 康介:ゆっくりと、目を開く。浮かび上がる意識にあるのは、いま、寝床を共にしていた少女の名。だから。
天城 康介:「やど──」
天城 康介:……そう、名を呼びそうになって。
天城 康介:「………………」
楊原 あざみ:「おはようございます」
天城 康介:「あざみ、さん?」
天城 康介:聞き慣れた声、その主の名を、息を絞り出すように。
楊原 あざみ:小柄な女が、仮設寝台を覗き込んでいる。ラフなニットと黒いデニム。似たようなのを何着も持っている私服だ。
楊原 あざみ:よく知っている。よく。
楊原 あざみ:「ええ。ようやく観察期間が終わったと聞いたので、快気祝いを兼ねて食事でもどうかな、と」
天城 康介:「ぇ、あ、うん。おかげ様で、ついさっき、ようやく……」
楊原 あざみ:「具合は良さそうですけど。しばらく待ったほうがいいですか?」
天城 康介:……いや違う。ついさっき、ではない。解放されて、まず向かったのは、ひょっとしたら彼女が待っているかもしれない自宅ではなく。
天城 康介:「い、いや、大丈夫、十分休んだから──」
楊原 あざみ:「…………」
天城 康介:そう言いながら、身じろぎする。仮とはいえ、休息の時間、こちらの都合で終わらせることは──
速水 やどり:身じろぎする裾を、きゅっと握る力が引く。
天城 康介:「…………」
速水 やどり:「……目が覚めるまで、傍にって。言いました」
楊原 あざみ:「そうですか」目を細めて笑う。
速水 やどり:「……えぇ。目が覚めましたとも。おはようございます」
楊原 あざみ:「おはようございます。いちおう終業時間ですが、ご一緒に食事でもいかがですか、速水支部長?」
天城 康介:「お、おはよう、やどり。……うん、そういうわけで、これから一緒に……ぇ」
天城 康介:「……あの、あざみさん?」
速水 やどり:「……そうですね。おかげさまで、ここ数日滞っていた仕事は片付けた後なので。時間は空いていますが」
天城 康介:自分たちを覗き込む、レンズ越しの視線に、言い様の無い圧力めいたものを、感じながら。
速水 やどり:「……流石に、そこまでお邪魔するのは失礼かと思うので」
速水 やどり:「今は、当たり前に会える幸せというのを、こうすけさんとしばし分かち合ってきてください」
楊原 あざみ:少し訝しげな顔になるが、
楊原 あざみ:「ええ。お気遣いありがとうございます。速水支部長」
楊原 あざみ:「康介くん。腕、しびれてませんか?」
天城 康介:「いや、そりゃあ大丈夫……あ、待って今はさすがに」
楊原 あざみ:「少しくらいなら待ちますよ。子どもじゃないんですから」
天城 康介:そんなやりとりをしつつも。抱き締める腕からは、少しずつ力が抜けて。
速水 やどり:名残惜しそうに、君を見つめる。
楊原 あざみ:「きょうの話だけじゃなくてね。ずいぶん待ったんです。待つのは得意ですから…」
天城 康介:──ふと、投げかけられた言葉に。
天城 康介:「──やどり」
天城 康介:19年前に止まってしまった、ひとりの少女を知る、君に。
速水 やどり:「……はい」
天城 康介:「いってきます」
天城 康介:あの街、あの家、あの扉の前で。君と声を合わせて口にした、その言葉を。
天城 康介:あの時とは真逆の意志を込めて、口にする。
速水 やどり:「……えぇ。いってらっしゃい」
速水 やどり:それは、帰ってきてくれる人の言葉だから。今は。……今日だけは、笑って送り出してあげましょう。えぇ。
速水 やどり:「……そうだ」そして、上体を起こして。
天城 康介:「……うん?」
天城 康介:君が上体を起こすのを支えるように、自分もそうしてから。絡めていた腕をそうっと──
速水 やどり:君の唇に、軽く。己の唇を触れ合わせる。
天城 康介:「…………………」
速水 やどり:「……おはようと、いってらっしゃいのキスです。……それじゃあ、楽しんできてくださいね?」ひらひらと手を振る。
楊原 あざみ:にこりと笑って、手を引く。
天城 康介:「あっ、ちょっ、待ってまだ心臓がバクバクいって」
天城 康介:11歳の少女とほぼ同じ体格の、小さな彼女に手を引かれて。されるがまま、半ば引きずられるように。
天城 康介:──振り向いた、その先に。レンズ越しの、まるい瞳と、そして。
楊原 あざみ:くちびるに体温と、薄甘いリップクリームの味。
楊原 あざみ:「行きましょうか。落ち着きました?」
天城 康介:「…………………」
天城 康介:こくこく、と頷く。もちろん、落ち着くどころか、顔はかぁっと熱を帯びているのだけれど。
天城 康介:「そ、それじゃあ」
速水 やどり:「はい。また」
楊原 あざみ:「ええ。それでは、また」
天城 康介:ああ、また、と。答えつつ、少年の姿は。
天城 康介:少女の姿をした大人に連れられて。
速水 やどり:そして、仄暗い仮眠室で、ひとり。
速水 やどり:ひとつ、大きく伸びをして。その表情は、どたばたとした目覚めにも関わらず、どこか晴れやかで。
速水 やどり:「……えぇ。えぇ」
速水 やどり:短い夢から醒めて。
速水 やどり:今日も、明日も。騒がしい日常が続く。……続かせるために、楯となる。
速水 やどり:そう決意を新たにして、立ち上がって。
速水 やどり:仮眠室の扉を閉じた。
ルールー・リール:──行き場のない私は、だからこそ。
ルールー・リール:確かなものを求めた。心から信じられる、身を捧げられる何かを。
ルールー・リール:どうして求めるのかも、分からないままに。
ルールー・リール:そうしてこの街に辿り着いて、少しばかりお手伝いをさせてもらって。
ルールー・リール:好きなものが1つできた。珈琲の香り。大したものではないと、彼女は言うけれど。
ルールー・リール:だから、私が問いを投げかけたのは彼女だった。
ルールー・リール:その1つ。なぜあなたは戦うのかと。傷ついた人が来るのを待って、時には別れることもあって。
ルールー・リール:問うて帰った、その1つは。
小子内渚:「言うべきことが……いえ」
小子内渚:「私には、言いたいことがありますので」
『罪なき世界に、さよならを』 親しき人に、おかえりと。